ケセランパサラン | ナノ
軽いものではありますが、嫌がらせが不快と思う方は飛ばしていただいても全然構いません。

















「おはよー!」

朝の通学路で市とかすがを見つけ駆け寄った


「おぉ、おはよう」
「…珍しいね、名無しが…この時間にいるなんて…」
「ちょっと寝坊しちゃってさ〜」


あー、朝からかすがと市の笑顔を見れただけで今日も1日やっていけそうだ…っ!!




…っといけない。
下駄箱の手紙を片付けないと…
いつも誰もいない時間だから迷惑は掛からないけど今日は遅いからなぁ…



「じゃ、用事あるから先に行くね!」

走りだそうとすれば「一緒に行こうか?」と心配そうに聞かれた

「…大丈夫だよ!」



…まぁ、一回話したことあるし察しはついてるんだろうけど…

でも、私が我慢すればいいだけのことだし、2人の手を煩わせる事でもない。…よね
私は2人に手を振って走り出した






「ったく、少しは頼れというんだ」
「…そうね、なんでもひとりで…背負いすぎ、ね…」


走り去っていく名無しの背中を見ながら2人はため息をついた







―――








「うはー…今日もまたすごいなぁ」

昨日は10通程度下駄箱から落ちているだけだったが、今日は下駄箱から半円を描くように散らばっていた



まだあんまり人がいなくてよかった。それでも、いつもよりは多いがピークでないだけ走ってきた甲斐があったとゆうものだ


ひとつひとつをこの為にわざわざ持ってきたエコバックに詰めていく

通り過ぎていく人達からは好奇の目で見られたり、事情を知っているのであろう人からは同情の眼差しや、クスクスッといった嘲るような笑いが聞こえる



…寝坊、ダメ。絶対。


拾い終わり、後は中か…と下駄箱を開けようとしたところで『タタタッ』と足音が聞こえたと思えばあからさまに『ドンッ』とぶつかられ、せっかく拾い集めたのに今度は、『バサバサ』っと下駄箱の中からこぼれ落ちた手紙を拾う羽目になった

せっかく集めたのにこの女っ…!

ギロッと睨めば「んなとこに突っ立ってんじゃねーよブスッ!」と吐き捨てた後、少し離れたところに立っている2人組とこっちを指差して笑っていた






(…ブスは当たってるけど、どう見たら突っ立ってたって見えるんだよ)
090306






     


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