「あら、上総介様ったらお弁当忘れてるわ…」
本日休みで少し遅めの朝食をとっていた私に母が「届けてくれないかしら?」と聞いてきた
ちなみに"上総介"様ってゆうのは母限定の父の呼び名らしい
「んー?いーよー」
「本当?よかった、今日町内会なのよ」
特に用事も無かったので二つ返事で答えれば母はふふっと綺麗に笑った
…私、本当にこの母から産まれたのかな…
「今日はお父さんここにいるから」
そう言って差し出されたメモを頼りに辿り着いた父の仕事場
どうやら今回はアポイントメントがうんたらかんたらとかゆう問題は無さそうだが、入り口のガードマンっぽいのが難関そうだ
「よし、逝こ…行こう!」
腹を括ってガードマンっぽい人達の前に立つ
「…お嬢ちゃん、なんの用だい?」
「……お弁当を…届けに来ました」
「…っ!!」
お弁当箱をズイッと前に出せばその人達は息をのんで顔色を変えた
「・・・・嬢ちゃん名前は?」
「え、織田でs「今すぐ総大将をお呼びしろ!!」
パンパンッとその人が手を叩けば近くにいた人が「は、はいっ!」と言って走り去って行く。
「すみません、しばらくお待ちください」
「あ、はい」
「いやー…総大将、朝から機嫌悪くて困ってたんですよ〜」
「こらっ口を慎め!総大将の娘さんだぞ!」
「すっすみませんっ!」
ベシッと頭を叩く姿はまるでコントみたいだ。
そのやりとりに唖然としつつ笑いをこらえる、そういえばお父さんの職業知らないなぁ…聞いてみようかなぁ…と口を開きかけると向こうから歩いてくる父の姿が見えた
「余を呼び出すとは…、くだらん用ではあるまいな……名無し?何故ここにおる」
「お弁当届けにきたよー」
「…すまぬな」
「どう致しまして!」
お弁当箱を見せれば父の周りに花が舞った。
ニカッと笑えば頭を撫でてくれたので、これからのご機嫌は良さそうである
(結局なにやってるのか聞けなかったなぁ…この間はお代官様って呼ばれてたけど…)
(ふははは!儂の娘は可愛かろう!!)
090304
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