ケセランパサラン | ナノ



「ふー…遅くなっちゃったなぁ」

只今23:30。

なんでこんなに遅いのかというと、理由は成実くんがヘマしてくれちゃって・・
卵パック落としたりホースの水ぶちまけたり、イスとテーブルひっくり返したり…

「はぁ…」
「おいっ!」
「へ?」

あまりにも近く発せられた呼びかけに自分かと思えば、どうやらコンビニでたむろっている人たちに向かって言ったらしい

その人は私の横をツカツカと黒い髪をなびかせ、颯爽と歩いていく

(今時…勇敢な人もいるもんだなぁ)

好奇心半分でジッと見ていれば「うっせー」だの「なにこいつ」だのバカにしたような声が聞こえる。

そんな言葉も物ともせず立ち向かう彼は、この現代社会において、天然記念物並みに珍しいと思う



しばらくして立ち去った不良(?)の人たちをみる限りではさっきの男の人が勝ったのだろう。「悪は削除だ!」と言って高らかに笑っていた


え?…もしかして、ちょっとイっちゃってる人?

そんなことを思っていれば、彼の矛先が私に向いたらしい。


「なんだ貴様?夜遊びか?悪だ!」スビシッと指を指された
「い、いや、バイト帰りなんですけど…」
「そうか、それは悪いことを言った。もう遅い、気をつけて帰りたまえ」
「あ、はい。ありがとうございます」

なんか突っ走る人だなぁ〜と思いながら私は家路を急いだ。








(今度見かけたら差し入れでもしようかなぁ)


(正義は勝つ!悪は削除だ!!)
(うわぁぁあ!?なんだこの黒い手!?)

090303




     


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