あの場から叫んで逃げた私は、勢いよくクラスのドアを開けドスンッと席に着いた。
「毎日毎日大変そうじゃな」
隣の徳川に話しかけられ、んー?っと、横を向く
「ほんとだよ…あのやろー面白おかしく話しかけてきやがって…私の立ち位置最悪だよ…」
「はは、まぁ愚痴ならいつでも聞いてやるぞ」
「ん、たまりに溜まったらよろしく」
「あれ…どうかしたのかい?2人が話しているなんて珍しいじゃないか」
先程の話も終わり、徳川が某アニメの忠勝について熱く語っていれば先ほどまで教室にいなかった半衛兵が話しかけてきた
「そうか、竹中は教室にいなかったから知らぬのだな…さっきな、猿飛が織田の弁当をかっぱらって逃げてな…」
徳川の説明にこくりと頷けば、半ちゃんに「お昼はどうしたの?」と聞かれた
「なんか、代わりに…さ…さす…」
「「…さす?」」
「いや、…代わりのお弁当貰った」
「そぅ…他になにもされてない?大丈夫だったかい?」
なんか深刻気味に尋ねてくる半ちゃん
「う、うん。なにも…って、あ…名前呼びを義務付けられたんだった…」
「そうそう。つっかえたり妥協しないでよねー。俺様がいなくても♪」
「さっさると「違うでしょー」むぐっ」
ギョッとして後ろを振り向けばむぎゅっとほっぺを抓られた
なにやら、名前を呼ばないと離してくれない雰囲気である
「…」
「…」
「……」
「………」
「…………さ…さしゅけ」
「はい、良くできましたー♪」
しばらくの沈黙のあと、仕方なしに名前を呼べば頭を撫でられた
(猿飛…名無しが嫌がってるから止めてくれないかい?)
(そんなことないよねー?名無しちゃん?)
((なんか怖いんだけど…助けて徳川!!))
((すまん!俺には無理だ!))
090227
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