ケセランパサラン | ナノ





「オジャーぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!!?」




……初っぱなから不快なものを失礼いたしました。

本日はオジャ店長の悲鳴から始まります。
と、言ってももう20時なんだけどねー。





「て…店長!?」

変な叫び声がしたほうに走り寄れば、店長が白い顔を化粧でわかんないけどたぶん更に白くして今にも死にそうになんか…プルプルしている。きしょい。

「だ…大丈夫ですか!?」
「きゅ…救急車…」

死にそうに一言発した後、パタッと息絶えた


「……えーと…とりあえず救急車…119っと」






動かしたら良くないと聞くので、店長をそのままに「どうかしたのー?」と顔を出したキッチンの成実くんと、こりゃ営業は無理そうだねぇ…と店を閉める事にした(だって独身な店長に1人付いて行かないとだし)

ちなみに、成実くんは門限までには帰らないと成実くん曰わく…鬼よりも怖い人、にフルボッコにされてしまう。(実証済み)

一度、店の全員で飲み会という名のお菓子パーティーをしたとき、23時をちょっと過ぎてしまったのだが、次の日、バイトに来た彼の顔はホラーだった。(悲鳴を上げた店長を黙らせ、バイト・パート総出で今日はゆっくり休めと帰したのは言うまでもない)
まぁ、緊急事態ともなればそんなボコボコにはされないとも思うんだけども…まぁ、今日は私がいますし


そんなこんなで片付けを終わらせれば『ぶぉぉおおおお・・』とゆう援護を求めるような独特なほら貝を連想させる警報を鳴らしながら救急車が到着した

あれから全く動かない店長を隊員の人にまかせ、戸締まりを成実くんにお願いしてから私も救急車に乗り込んだ






―――

病院の廊下にある椅子に座ってボーっとしていると治療室から出てきた看護婦さんに声を掛けられ中へと通された。

足を固定されているところを見ると(入院かなぁ…)なんて思う

診てくれた医師によれば、なんと足がパッキリ折れてしまって、肋(あばら)もなんかイッちゃってるらしい。
まったく、一体どんな転び方をしたらそんなことになるのやら・・

「…ふふ…、治るまでだいぶかかりますねぇ…」
「マジっすかー…ん?」

どこかで聞いたことあるようなこのねっとりした声と喋り方に医師を見れば

「……光秀兄ぃ?」
「えぇ、お久しぶりですね名無し」

長身に銀色の長い髪をしたイトコがいた。








(織田…店はまかせたでおじゃ…)
『バタッ』
(…マジすか…?)
(…ふふふ…大変ですねぇ…)
(あ、光秀兄ぃ今度ご飯食べきなよ。お母さん、ちゃんと食べてるか心配してたよー)
(そうですか…では今度お邪魔しますよ…ふふ…)
(今度っていつよ…)
(さぁ?今度は今度ですね。よければ…もう遅いので送りますよ)

090204




     


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