今日はバイトがお休みです。
なので近くの大きい商店街に買い物に来てます。ひとりで。
いや、寂しい子じゃないよ?
かすがと市を誘ったんだけど2人とも用事あったんだもん…仕方ないじゃない?
(あ、あの服可愛い『ドンッ』!?)
ふらっ…とお店に近づけば、少し小走りで歩いてきた人にぶつかってしまった
「す、すみません!」
「ご、ごめんねっ!」
…かぶった。
一瞬の沈黙の後、思わず吹き出せばつられたのか彼も笑っている。
「いやー、ごめんね。後ろばっか見ててさ、ちゃんと前見てなかったんだよね」
笑いが収まってくると再び彼が謝ってきた
なんか見たことあるような気がするんだよね…このポニーテールに派手な…
「いえ、私も不注意でしたから」
おあいこですよ!とふふっと笑えば、彼がひらめいたー!みたいな顔して「じゃあさ、ここで会ったのもなんかの縁だし、お茶でもしない?」と、誘ってきた。
しかもすごく良い笑顔で。
「いえ…」
流石にそれはなー…と断ろうとすると、なんか聞き覚えのある声がした。
「ヤベッ!」
『ガシッ』
「…え?!ちょっ……えぇ!?」
彼が呟いたと思えば、その瞬間、私は彼に手首を捕まれ走り出していた
必死な顔で走りつづける彼を止めることもできず(途中でいろんな人に声を掛けられては笑顔で返していたけど)、だいぶ走って気がつけばそこは商店街から結構離れた公園だった。
「ごめんねー、付き合わせちゃって…って、さっきっから俺、謝ってばっかりだね」
座っていると「あははー」苦笑いされながら缶ジュースを差し出され、受け取ればまた、彼も隣に腰掛けた。
「いえ、別に構いませんよ。てか、なんで走り出したんですか?逃げてたみたいですけど…」
「いやー、ねーちゃんに追いかけられててさ」
(いや、いつも俺がフラフラしてるからなんだけどねー)
(それはあなたが悪いですね)
(あ、名乗ってなかったね!俺、前田慶次!)
((前田…?)あ、織田です)
(下の名前は?)
(…なんか嫌な予感がするので聞かないでくれると嬉しいです)
(……う、うん?)
090203
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