「楽しいね!」
「…そんなに楽しいか?coffee cupにmerry-go-roundが」
「うん!」
絶叫系が苦手な私は政宗に有無を言わさず、それ以外のアトラクションを堪能していた。
そんでもってたまーに横にいる政宗をチラッと見れば物足りなさげな顔をしていた。
「ごめんね、政宗あんま楽しくないでしょ」
「Ah?なんでだ?」
「だって私ばっかり乗りたいの乗っちゃってるし…」
時刻は夕方。
少し小腹が空いたね、と私と政宗は休憩がてらにベンチに座り、さっき買ったホットドックを食べ始める。
「気にすんな。どうせ絶叫苦手なんだろ」
「…(バレてたー…)」
途中からなにも口出ししなくなった政宗に薄々バレてるだろうとは思っていたが、実際言われてしまうっとゔっとくるものである
「そうだな、まぁ…俺にも乗りたいとこはある。ふたつ、な」
「え…」
最後の一口をポイッと口に放り込んで政宗が口を開いた
「この前新しく出来たJetto coasterと」
「う、うん…」
「ひたすらなげぇあのhorror house」
「…うへぇ…」
自慢じゃないが、私は絶叫と同じくらいホラーが嫌いだ。
どっちもやだどっちもやだ。他になんかないのかよと思っていれば顔に出ていたらしい
「そうか、honeyは自分が乗りたいのだけ乗って俺が乗りたいのは乗らせてくんねぇんだな…」
政宗のその言葉が私の心をグサッと抉った。
つーかハニーってなんだハニーって
「別にいいんだぜ?他の「ど、どっちかなら…」奴と………Ham?」
グサグサ刺さる言い方に、申し訳ない気持ちを通り過ぎ少しムカッとしながら…言ってしまった。
言葉を遮って言ってしまった。
「honeyがそうゆうならお言葉に甘えねぇとなぁ?」
その瞬間、政宗の口の端がニヤッとつり上がった
(やられた…っ)
だんだん血の気が引いていく私に対して片目に眼帯をした悪魔はとても楽しそうだ。
「そうだな、じゃあジャンケンで俺が勝ったらhorror houseでhoneyが勝ったらJetto coasterな」
「勝っても嬉しくねー…」
((最初はグーッじゃんけんっポイッ!!))
090702