ケセランパサラン | ナノ




「は…?バイト先に猿飛が入ってきただと…?」



昼休み、私はかすがと市の3人で中庭にお昼を食べに来ていた


「うん、びっくりしちゃった。」
「……そう…要注意、だね…」
「うん、見つからない事を祈っ『ガシィィイ』?!」
「いいかっ?なにかされそうになったらそこら辺にあるものを使って撃退するんだぞ!?それから私に連絡しろ!息の根を止めてやる…!」

鬼気迫るような表情のかすがに両肩を掴まれ思わずコクコクコクと頷く

「市にも言ってね…?きっと、力になれるから…ふふ…」
市が妖しく微笑む
「あ、ありがとう2人とも…」

なんか怖いものを感じたけど…気持ちはとても嬉しかった







――キーンコーン…



チャイムがなり教室へ戻る。
といってもクラスが別なのは私だけ。ちなみに2人は4階で私は3階なのだ。

(それにしても…かすが…凄い形相だったけど何かあったのかな…?てゆうか知り合いだったんだ。えっと…なんだっけ……)


歩いていると肩をポンポンと叩かれ振り返る。

「…さ、さ、サルモネラ菌?」
「え?まさかそれ俺様じゃないよね?」
いや、確かに冗談だけどさ・・


一瞬の沈黙


「げっ…『ズビシッ』っぎゃ!?」

反射的に眉を寄せたら、目にも止まらぬスピードで人差し指を眉間に当てられ…いや、刺され、へらへら笑ったままグリグリされる


「あんれー?俺様もうちょっと女の子らしい反応を期待してたんだけどな〜」

ッ!痛い痛い!後ろに身体傾けてるのになんで!?穴開きそうなんですけどっ!


「……〜っ…」

数秒後、満足したのか指ドリルから開放された私は眉間を抑えながら涙目で猿飛を睨み付けたが…効果はなかったようだ。

しかも、何事もなかったかのように「ほら、行くよ。授業始まっちゃう」と、何故か並んで歩き始める始末…。

いつもは短い教室までの距離が、周りからの視線やヒソヒソ声の所為でだいぶ長く感じられた

なんで一緒に歩いてるのかってこっちが聞きたいわボケッ!



「……じゃ、私ここなんで」

上に2―Aと掲げられたプレートのドアを開け、中に入るとニコニコしながら彼も続いて入ってくる。

「えっ…?」

これには流石にびっくりして目を開けば「あはー、実は俺様も同じクラスなんだよねー」へらりと笑って事実を突きつけられたのだった。








(もしかして気付いてなかった?まぁ、俺様も今日の朝気付いたんだけどさー)
(…(あぁ、クラス中の視線が痛い…))
(え、無視?これ、絶対聞いてないよね!?)

090127




     


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