「そんなわけでどうしたらいいと思う?」
「ふむ、職員会議でも話していましたが…面白いことが起こっているみたいですね」
「むぅ…人が真面目に話してるのにっ」
「ふふ…失礼…」
次の日たまたま遊びに来ていた光秀兄ぃに昨日のことを話してみれば、口元の笑いを隠し切れずにニヤニヤ笑っていた。
「もしかしたら…洗脳、されているのかもしれませんね」
「洗脳?」
「えぇ。私はそっちの専門ではないのでわかりかねますが…ザビーと言いましたか。彼の目にはなにか感じるものがあったのは確かですね…」
「目…」
確かに思い返してみれば……
…うん、追いかけられた恐怖しか覚えてなかったわ。そんな不思議な目をしてたのかな…
「…どうやら覚えてはいないようですね」
「逃げるのに必死だったからね」
「では行きましょう」
すっと立ち上がった光秀に名無しは見上げて首を傾げる
「どこに?」
「今話していたザビー教にですよ」
言うなり、「ふふふ、」と笑いながらのらりくらりと行ってしまう光秀兄ぃを放っては置けず(なにしでかすかわかんないし)、名無しは小走りに付いて行くのだった
光秀は玄関先でチャリッと音を鳴らし車のキーを取り出した
「車で行くの?確かそこまでうちと距離ないんじゃなかったっけ?」
「えぇ。車ごと突っ込んでしまおうと思いまして…、そろそろエコカーに変えたいのでね」
「やめて。私まだ死にたくないから!ふつーに中古で売ろうよ!」
「そうすると少々厄介な事がありましてね」
なんだそりゃと思ったが、少し怖いので口には出さず、心にしまって半ば光秀を引きずるように名無しは歩きで家を出たのであった
のは、15分位前の話で、
「光秀兄ぃ、」
「なんでしょう」
「私、適当に歩いてるだけなんだけどザビー教の場所ってどこ?」
「さぁ?私に聞かれても」
私が聞けば笑って首を傾げる光秀兄ぃ。
少し殺意が芽生えた
(一回戻ろうか…)
(あちらが騒がしいのであっちにあるんじゃないですか?)
(あっ!ちょっともうっ…)
090626