ケセランパサラン | ナノ
「…なにやってんですか、元親先輩」
放課後、本を返しに図書室に向かっていた私は、図書室と本校舎を繋ぐ渡り廊下みたいなところでうなだれている元親先輩と遭遇してしまった。




「おー、名無しか…。図書室なら今行かないほうがいいと思うぜ…元就がいない日にしとけ」
「え、ほんとどうしたんですか…」
「あぁ…ちょっと、な」
そう小さく笑った元親先輩は、なんかすごい疲れ果てた顔に死んだ目をしていた。



あの言い合いばっかしてるけど実は仲の良い先輩たちに一体なにが…

これはただごとじゃない…!!

好奇心半分、ちょっと怖い+元親先輩の警告半分で中に入ろうかどうしようか心の内で葛藤する




(やっぱ元就って言ってたから元就先輩が関係してるんだよね…)


よし、元就先輩だしなんとかなるかっ!と結論付けて、いざ図書室の扉を開けた。










…元親先輩の声が後ろから聞こえた気がしたが、時…既に遅し。

私は待構えていたらしい、てっぺん禿の修道集団に奥へと流されていた。


腕と言う名のウェーブで。











「よく来た、ザビー教支部へ。貴様が57人目の入信者だ。ふ、全て我の計算通りよ」
「……へ?」
担ぎこまれた先の最奥には元就が座っており、ここは本当に図書室だったのだろうか、というくらい見る影がない







(てか、ザビー教ってこの間のだよね…56人も入信したのかよ)
内心嘘だろと思いつつも、怖いので表には出さないようにする




「えっと元就先p「我はサンデー毛利。サンデー毛利様と呼べ」じゃあサンデー先輩、図書室改造して何してるんですか?」
「ふん、まぁいいだろう。見てわからんか…愛を伝えておるのだ」

「…愛、デスカ。」


好奇心とか言ってた自分を今すぐ殴りたい。
こんなカオスなところ今すぐ出たいんですけど、やっぱ入んなきゃよかった…



ひとり、うんうんと後悔していれば、ドヨッと玄関からどよめきが聞こえた。






「…懲りずにまた来おったか…」
「あぁ、何度も来る気はなかったんだけどなぁ…世話のかかる後輩が一匹迷い込んじまったもんでねぇ…」



のしのしと進んできて私の腕を掴み「行くぞ」と出口へと引き返す







「あぁ、もうすぐうっせぇ教師どもがくるぜ?」
「ふ、我が策に穴などないわ。」
「そうかよ」
ハッと笑った元親先輩はそのまま私を連れて表に出た









(…図書室が変だと言われて来てみれば…はぁ、言葉もでないよ…)
(気をしっかり持て竹中!!)

090625




     


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