ケセランパサラン | ナノ

「あれ?慶次ひとり?珍しいねー」
屋上の扉を開ければひとりで真剣にPSPをしている慶次がいた。


「おー、政宗はさっきまでいたんだけど武田に連行されてった。佐助と幸村は購買寄ってから来るってよ。元親は知らねぇ」
「そうなんだ」
政宗は一体なにをしでかしたんだろう、佐助たちが購買なんて珍しいなとか思いつつ、慶次の向かいに座る。

「あっ、こら夢吉!」
「へ?お!?」
荷物を置けばなにやら茶色い物体が懐に飛び込んできた。



「キキィ!」
「びっくりしたぁ、夢吉かぁ」
それに視線を落とせばくりっとした大きな目と目が合う。


「いやぁ、ごめんごめん。ほら、こっちこい夢吉」
立ち上がって私の前まで来た慶次が夢吉を捕まえようと手を出せば「キィ!」と鳴いて、その手をバシィッと弾かれていた


「イッテェ!!何すんだよ夢吉っ!」
ギュッと私のベストを掴んでそっぽを向く夢吉に慶次は若干涙目だ

「あははっ!慶次がゲームばっかして構ってあげないからだよ!」
お腹を抱えて笑えば夢吉はするりと頭へ上る


「ちぇっ、なんだいなんだい…そんなに俺が悪いのかい?…悪いのか。」
そんな夢吉を見つつ、ちょっと拗ねながら慶次は横にドカッと座った。














「そういえば慶次ってよく女の子と遊んでるけど…恋人っていないよね」
「え?あぁ…うん、一緒にいて楽しいけど、そうゆう好きではないからなぁ」
会話とゆうかなんとゆうか、言葉が途切れたのを機に少し気になっていたことを口にすれば、慶次にしては意外な答えが返ってきた。
なんとゆうか告ってもフラれるとか友達の楽しい人止まりなんだよねとか言うかと思ってた。


「へぇ、最初はてっきり遊んでる人だと思ってた」
「あー、よく言われる」
苦笑したけいちゃんは「でも、」と繋げた

「だってこんなに沢山の人がいるんだから楽しまなきゃ損じゃん?」
笑ってそう言った慶次に、話を逸らされたのだと気付いたのは少し経ってからだった












(そういえばなんかたまにボーっとしてるけど、好きな人でもいたりして)
(…さーてどうかなぁ?)

090624




     


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