「到着致しました。」


前から顔の見えない運転手さんの声が聞こえて窓から外を見れば到着したのはこれまたビックリするくらいの高級マンション。




え?私こんなところに用なんてないんですけど…



っていうかちっちゃいときから貧乏人生な私はこんなところ一度も足を踏み入れたこともないんですけど…



「行くぞ。」


『は?ってうわっ!!』


車から引っ張り出されれば私は突然眼帯男に担がれた。


『何!?降ろして!!』


「うるせェ。俺の上で暴れんな。頭から落とすぞ。」


…怖っ!!!


頭から落とすって…


それ本当にやったら重傷だから!!



気付けばドンドンと階数を重ねて上がっていくエレベーター。


このエレベーター独特の浮遊感がなんとも気持ち悪い。



早くとまらないかな…




チンッ




エレベーター特有の音がしてたどり着いた目的のフロア。



ってえェェェェエ!!



長い長いとは思っていたけどまさかの最上階に着いちゃったんですけど!!


っていうかどんだけ金持ちなのこの人!!



う、羨ましすぎる…!!




そして眼帯男が歩き出せば担がれたままの私の後ろからピッと音がした。



ガチャッ



『ねぇ!ちょっと待って!!』


「あ?」



焦る私にお構いなくドンドンと足を進める眼帯男。




『ここどこよ!!ってきゃあ!』



ボスン、と音を立てて私の身体が沈んだのはキングサイズのふかふかベット。



うわ、何これ超気持ちいいんですけど。



…じゃなくて!!




『ここどこよ!?つーかあんた何なの!?』



私は目の前の男をおもいっきり睨んだ。







 
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