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結局、いつもの如く晋助の暴走が始まってデパートから強制的に撤収した。
うっきうきな顔で下着屋に入ろうとしたときは本気で心臓止まるかと思ったけど。
そんなこんなで今私たちがいるのは近くのファミリーレストラン。
晋助にファミレスなんて最上級に似合わないけど今日は庶民的に過ごすって言ったから我慢してもらおう。
『疲れたー!』
「体力ねぇな。」
『誰のせいだと思ってんのよ。』
「あ?誰だよ。」
『あんたに決まってんでしょうが!』
むしろあんなに暴れた上にこんなに移動したのになんでそんなにいつもと変わらないのか不思議なんだけど。
……あぁ、ただ単に私に体力ないだけか。
でもよく考えたら、買い物目的とはいえ誰かと出かけるなんて本当に久しぶりだったかも。
いつも仕事仕事でろくに遊びになんて行ってなかったから。
『でも…今日、思ったよりも楽しかったかも。』
「……そりゃ良かった。」
少しだけ笑った晋助を見て、私も笑った。
うん、楽しかったしなんだか今日は夜のバイトも頑張れる気がする。
って、そういえば……
『私、明日も休みなんだ。』
明日は今日の半日休みと違って、1日丸々お休みをもらった。
「珍しいな、連続でお前が休むなんて。」
『うん、…ちょっと、ね。明日は、家に帰らないかも。』
明日の目的地は、少しだけ遠いところにあるから。
「どこ、行くんだよ。」
怪訝そうに見る晋助に、私は困ったように笑った。
『両親の、お墓参りに行くんだ。』
同じ時間を、君と
こんな毎日が続いたら
きっと幸せなんだろうか
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