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「ボケてるけどなんかあった?銀さんに相談してみなさい!」
ボケてるって…!
せめてボケッとしてるって言ってください。
『何でもないですよ!お、お腹が空いちゃってボケッとしちゃっただけです。』
我ながら苦しい言い訳だ…。
っていうか私はそんなに悩んだ顔しちゃってるのか。土方さんだけじゃなく銀時さんにまで心配かけちゃうなんて、…しっかりしなくちゃなぁ。
「そういや高杉と仲直りしたみたいだな。」
『あれ?晋助から聞いたんですか?』
「いんや、あいつの様子見てりゃすぐ分かるって。」
晋助の様子を思い出したのか、やれやれと肩を竦める銀時さん。
ってことは、晋助はもう元通りになったって事なんだろう。
『そういえば、晋助は……いないんですか?』
気付けば今日出勤してから1度も見かけていない。
いつもだったら銀時さんと話していれば現れるはずなのに。
「高杉は仕事ー。あいつシャッチョサンだしなんだかんだ忙しいからな。」
『シャッチョサン…。』
シャッチョサンって…。普通に社長さんって言えないのかこの人は。
…ふぅん、晋助いないのか。
「最近じゃろくに家にも帰れないくらい忙しいみたいだし。」
『へぇ、大変なんですね。そういえば、銀時さんは何してるんですか?』
思い返せば銀時さんはいつだってここで飲んでいる気がする。
も、もしかして銀時さんはニートというやつなのだろうか…!!
「何?名前ちゃん俺の事気になるの?」
『いや、そんなに。』
「気になんないのかい!俺も自営業よ、じえーぎょー。」
『え、じゃあ銀時さんもシャッチョサンじゃないですか。』
意外や意外、銀時さんも社長さんだなんて驚いた。
っていうか銀時さんの会社ってどんなんだろ。
まさか困ったことならお任せあれー、な万事屋だったりして。
……いやいや、今の時代にそんな訳ないか。
「シャッチョサンだなんてそんな大層なモンじゃないって。」
『へぇ、銀時さんでも謙遜とかするんですね。』
銀時さんの事だからすごいでしょって調子に乗るかと思ったのに。
「……本当つれないよね名前ちゃん。」
『つれなくないです。これが素なんです。』
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