『晋助ぇッ…!』



今にも泣き出してしまいそうな声で、晋助に叫ぶ。



「名前ッ!」



それに気付いた晋助が私の元に駆け寄ってこようとする。


だけど、私の目の前に出てそれを遮ったのは、今まさに私の手を掴んでいる男。



「よォ、高杉ィ」


「あァ?お前、誰だっけ?」


「テメェ…!!」



男を見てニヒルに笑う晋助。



晋助のあの馬鹿にしたような顔は、絶対に覚えてる顔だ。


晋助は怒り狂う男を無視して、私に向かって歩きだす


「名前、大丈……」


だけど、その足は私の近くになったらピタリと止まった。



目を見開いた晋助の視線は、私の顔。


それに気付いた私は、男に殴られて腫れ上がった顔を晋助に見られたくなくて咄嗟に俯く。



「テメェら、覚悟は出来てんだろうなァ…!!」



私の顔を見た途端に、晋助は鋭い視線で男達を睨む。


『きゃっ!くっ…!』


それにビビったのか、男の腕が私の首にまわってきつく締め上げる。


そして首筋に冷たく当たるナイフの先端。



「高杉ィッ!それ以上勝手に動いてみろッ!!この女のい、ゴホォッ…!」



怖がるヒマもなく言葉の途中で吹き飛んでいく男。


目の前の晋助を見れば、余裕な顔でニヤついてる。


一体何が…!?



グイッ


『きゃっ…!!』



何があったのかと振り返ろうとすれば、後ろから突然腕が引かれた。


ボスンと音と共に抱きしめられる身体。



「俺の名前ちゃんに気安く触んじゃねェッ!!」


『銀時、さん?』



顔をあげれば、男を睨みつける銀時さんがいた。


いつの間にか、私の後ろにいて男を吹っ飛ばしたのは銀時さんだったようだ。


銀時さんはそのままぎゅうぎゅうと私の身体を抱きしめてくる。



『あの、銀時さん?』


「もー!マジで心配し過ぎて銀さんどうにかなっちゃうとこだった!!」









 
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