『は?そんな格好って…




ギャァァァァアアア!!』


「っ!うるせェ。」



女としてあるまじき叫び声で叫んで改めて自分の姿を見て焦る。


なんでこのまま出ちゃったんだ私!



今の私は下着がギリギリ隠れるくらいの大きいTシャツ一枚しか着ていない。



ううう、だってこれが寝るとき1番楽なんだもん。



「クク、仕方ねぇから相手してやろうか?」


そのニヤニヤとした顔が無性に腹が立つんですけど!むしろあんたなんて望んでないですから!



『結構です!っていうか帰れ!』



もう見られちゃったものは仕方ない。


今更隠すよりもまずはこいつを帰すことに専念しよう。



「ヤダ。つーか腹減った。」



私の気持ちとは裏腹に帰ることを拒否した晋助。


『いや、私のほうが嫌だからね。っていうか腹減ったとか言われても知らないよ。』



ハァ、と溜息をついて晋助を睨む。



「あ、そういや一昨日の夜から何も食ってねェなァ。」

『はぁ!?』



晋助はサラリととんでもないことをぬかしやがった。



「忙しかったし、俺ァ一人じゃ飯食わねぇからなァ。」



まるで今すぐ作れと言わんばかりに私を見る。



一人じゃ飯食わない…ってことは、大方普段はクラブではべらせているあのお姉さん達にでも作ってもらってるんだろうな。



ハァ、めんどくさい。





パパッと作ってチチャッと帰ってもらおう。



『そんなんじゃあんた死ぬわよ!…とりあえずご飯用意するから。』




どこかの細木さんバリに晋助にビシッと指差して私は葛を入れた。



うん、こうなっては仕方ない。



餓死されても困るからとりあえずあるもので何か作ろう。




私は踵を返してきちんと着替えてからご飯の準備にとりかかった。




その後ろで晋助がニヤリと笑っていたことにも気付かずに。








 
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