ピンポーン




ピンポーン







『……んっ。』





鳴りやまないインターホンの音に寝ていた私は起こされた。



『ふあ。』




寝ぼけ眼で大きなあくび。





ピンポーン




『分かった分かった、今すぐ行きますから。』




しつこいインターホンの音に向かって独り言を呟いて、ムクリと起き上がり水を喉に流し込みながら玄関に向かう。



今日は久しぶりの休日。



連勤続きの体に鞭打ち今日まで頑張ったんだもん。今日くらいはゆっくり過ごそう。



っていうか一日寝てたい。




と思っていたのに一体誰だっつーの。





ガチャ




『はーい、ってうわっ!』


「テメェ、俺を待たせるなんて良い度胸じゃねェか。」




扉を開けた瞬間そこにいたのは、今まさに最も苦手な男、高杉晋助。



晋助は、遠慮無しにズカズカと家の中に入って来た。



しかも狭いだの汚いだのと文句を言いながら。


そりゃあんたの馬鹿でかい家に比べちゃ狭いし汚いですよ。あんたの家って無駄に広いしやたらとキレイだもんね。私の家に文句あるなら来るなハゲ!




『っていやいやいやいや!そこじゃないでしょ私!え?なにこれ?っていうかなんで家知ってんの!?』


思わず自分にツッコんじゃったけどまずそこだよね!私この人に家教えた覚えないんですけど!というかそんな自殺行為なんて絶対しないからね!



「俺の情報網を舐めんじゃねェ。」



振り返った晋助はニヤリと笑っている。



舐めんじゃねぇってあんた…


それ自慢できる事じゃないからね。




「つーかお前さ、」



グンッと真ん前まで近付いてきて私を見下す晋助。



『な、何よ。』


「お前、そんな格好で俺を誘ってんのか?」



挑発するように見下して笑った目の前の男。








 
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