『って痛たたた!!痛いれふ!!』



突然高杉さんは私のほっぺを抓りだした。


痛い痛い!!いやマジで痛いから!!



「テメェ、名前で呼びやがれ。」


『痛い痛い!……は?』



今だに抓りつづける高杉さんは訳の解らないことを言う。


名前で呼べって…


どういう事?



『いや、あなた高杉さんですよね?名前で呼びましたけど…。』




そういうと目の前の男は溜息をついた。



「名前っつったら下に決まってんだろォが。だからテメェはボケなんだよ。」



いやいやいや!!


ボケはあんたでしょうがァァア!!!


っていうか朝から失礼なんですけどこの人!!



『…やです。』



だって、名前で呼んだらなんか仲良くなったみたいで悔しい。


っていうか言うこと聞いたみたいで悔しい。




「あァ?」


私が拒否すると高杉さんは更に私を睨む。


だから、その顔恐いってば!!




『あの、そろそろ本当に帰りたいんだけど…』


時間もかなりやばくなってきた。





「呼ぶまで帰さねェ。」


『…やだ。』



っていうか名前にそんなにこだわらなくたって良いじゃん。




「なら、無理にでも言わせるしかねぇなァ。」



ククッと笑った高杉さんは私の服に手をかけた。



『なに…!?やっ…!』



そして首筋には高杉さんの唇があたる。




「ほら、呼ばねェと先に進めるぜ?」


『ちょ…!そ、そんなことしたって言う訳ないでしょ!!』


「なんだァ?もしかして、もっと触って欲しいのか?」



そう言って高杉さんはお構いなしにどんどんと手を進めてくる。




『だから、やだってば…!』




抵抗しても高杉さんは止めてくれない。



そして手は下着のホックにたどり着く。


『っ!!』



このままじゃ、本当に襲われる…!!




『し、晋助!』


「っ!!」



呼んだ瞬間ピタリと止まった。



『晋助!晋助、晋助、晋助!!』



もうやけくそになって何度も何度も名前を呼んだ。



『これで満足で…』



睨みながら見上げた彼の顔は



びっくりするくらいに真っ赤になっていた。









 
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