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『晋助、痛いよっ!離して!』
抗議する私を余所に、晋助の足は止まらない。
真っ暗な公園に響くのは、私の声だけ。
晋助の足はまさに晋助の家に向かっていて、私は振りほどく事に必死になっている。
嫌だ、嫌だ、
あの家には、戻れないよ。
そう思うのに、気づけば目の前には見慣れてしまった晋助の家。
離してほしいといくら抵抗しても腕を掴む力を緩めない晋助。
もう、一体なんだって言うんだ。
あのまま離れる事が、一番良かったのに。
いくら抵抗しても無駄なまま、ついてしまった部屋。
ズルズルと引きずられ向かったのは寝室。
『っ…!何す、』
そのままベットに強く押し倒され、見上げれば私の上には晋助の姿。
……怒ってる。
晋助の顔を見ればそれはもう誰から見ても一目瞭然で。
『ぐっ…』
そしてそのまま胸ぐらを捕まれてグッと距離が縮む。
「…お前だけは、絶対に…!」
『…え?』
本当に、本当に小さな声で何かを言った晋助。
しかしそれは一瞬で、次の瞬間には
『ちょっ…!何、すんのよ!』
上に羽織っていた服を乱暴に脱された。
薄着になった身体必死に隠そうとする私の身体を、晋助は無理矢理ベットに押さえつけた。
「今更この俺から離れるなんて、テメェには無理なんだよ。」
見上げた晋助が
今にも崩れてしまいそうに見えるのは
私の気のせいなんだろうか
食い込むのは錆びた鎖
間違えているのは
私?それとも、あなた?
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