晋助の家に来て最終日の6日目。


私はいつも通り朝から仕事に出掛け、そして今は荷造りのために一旦晋助の家に戻ってきている。


って言っても元々荷物が少なかったし、荷造りなんてあっという間に終わったんだけどね。



『あ、電話。』


テーブルの上で震えている携帯に手を伸ばして、通話ボタンを押した。


「もしもーし!名前ちゃん?」

『大家さん!』


電話の相手は大家さん。


……ってことは家の修理が終わったのかな?


「予定通り明日で部屋の修理が終わるみたいよ。」

『よかった!ありがとうございます!』

「ふふ、名前ちゃんが帰ってくるのが待ち遠しいわ。」

『ありがとうございます!またこれからもよろしくお願いします!』





それからしばらく最近の様子とか、お隣ご夫婦が仲良くやっているかなんて話して、電話を切った。



電話をきってから、大きく深呼吸を1つ。


……そっか、もう帰るのか。


大家さんからの電話で改めて家に戻るんだとジワジワとわいてきた実感。


不意に自分の傍らに置いてあるカバンに目を向けて、一週間前思い返す。



今思えば、鞄1つでここにきたんだなぁ。


突然のことに行くところなんてなくて、公園に一人で、……寂しくて。


そんなとき晋助が現れて、ここまで手を引いてくれた。


本当に、晋助には感謝してもしきれないよ。


……っていうか、晋助がいなかったら今頃私はどうなっていたんだろう。


なんて、苦笑いをしながらもまとめた荷物に忘れ物がないか確認しようと立ち上がった。



ピンポーン



それと同時に、インターホンが鳴り響いた。


『……お客さん?』


晋助からお客さんがくるなんて聞いてなかったけど、とりあえず出た方がいいよね。


『はい、…っ!』



玄関を開けるとそこには





晋助の彼女さんがいた。


 
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