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「おやおや土方くん。気安く俺の視界に入らないでもらえます?マヨネーズの臭いで酔っちゃうから。」
「殺すぞテメェ…!」
「うわー怖い怖い。どうせ死ぬなら名前ちゃんと死にてェな。もちろんベッドの上で。」
『ぎゃっ!そ、それは一人でお願いします!』
急にガシリと肩を掴まれて、思わずビクついてしまう。
銀時さんと一緒にだなんて絶対に嫌!
っていうかベッドの上だなんてそれこそ死んでも嫌だわ。
それと同時に土方さんはここぞとばかりにニヤリと笑った。
「はっ!振られてやんの。」
「は?これは振られたんじゃなくて名前ちゃんの照れ隠しなんですけど。」
「そこまでプラスに考えられるなんて哀れみ通り越して逆に尊敬するわ。」
「まぁまぁ、マヨネーズしか考えられないお前の油まみれの可哀想な頭にはわかんねェよな。」
「は?お前のフワフワの卑猥な頭に言われたらおしまいだわ。つーか名前にちょっかい出すんじゃねェよ。」
「でーたー!お父さん気取り!もうね、女の子はみんな自分の娘ですか?庇ってあげたら喜ぶと思ってんの?痛い、この人痛いよお母さん!誰かー!人1人包み込めるくらいの大きな絆創膏くださーい!!!」
『………。』
この二人、仲が良いんだか悪いんだか。
もう私はぎゃあぎゃあと言い争う二人を黙って見るしか出来ない。
『……見回り行ってきまーす。』
こうやって見ているのも気まずいので、聞こえるか聞こえないかの声で呟いた。
そして未だに言い争う二人を尻目に、私は歩き出した。
見回りを始めて数分。
特に異常もなく、私はうまく人の間を歩いていた。
……それにしても本当、なんであの二人ってあんなに気が合わないんだろ。
会えば言い争ってばっかりだし。
でも、本当に嫌いって感じはしないんだよなぁ。
「おい、」
『はい!…って晋助?』
お客さんに呼ばれたと思い振り替えれば、そこには晋助の姿。
『今日来てたんだね。』
さっきまで家であっていたと言え、ここで会うのは久しぶりでなんだか新鮮。
最近晋助も忙しそうでなかなか来れなかったからね。
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