『何すんのよ!ばか!』


寝てる間にするなんて最悪!

し、しかもペット用の首輪だなんて…!


ワナワナと怒りを押さえつけていれば、晋助は大きなため息を吐いた。


「冗談だろ、冗談。」


『いやいや嘘でしょ。あんたどんだけ嘘つくの下手くそなのよ。』


これが冗談なら悪趣味にも程があるっつーの!


しかもどさくさに紛れて写真なんか撮りやがって。


絶対、ぜぇーったいに銀時さんとからかってくるに決まってるもん。



っていうか


『晋助のペットなんて死んでも嫌だわ。』


「じゃあ奴隷か。」


『もっと嫌!…って、何納得した顔してんのよ。』


あぁ、もう晋助にはついていける気がしない。


私のすぐそばに腰かけた晋助を見て、大きなため息が出た。


普通にしてれば、まともな人なのになぁ…。


なんて、横目で見ながら再び着替え以外の準備に取りかかった。




「そういやお前、ネックレスとかつけねェな。」


『……どうしたの、急に。』


座っていた晋助が不意に私を不思議そうに見上げた。


確かに、言われた通り普段ネックレスとかつけないけど……。


『うーん。特別気に入った物があるわけじゃないから、毎日つけるとかはないかも。』


たまぁーにつける、くらいかな。


「……そうか。」


そう言うと晋助は何事もなかったように部屋を出ていった。



『……え?なんの質問?』


全く興味がなさそうに出ていった晋助の背中を見ながらポツリと呟いた。













今日も賑わう、私の仕事場。


先ほどの首輪事件から時間がたち、私はいつも通り働いていた。



「名前ちゃーん!」


『ぎ、銀時さん。』


そしていつも通り現れたのは今日もご機嫌な銀時さん。


「昨日ぶりだね、名前ちゃん!」


『…そ、そうですね。』


「もう!名前ちゃんってばテンション低いんだから!」


酔っているのか今日も一段と面倒臭い気がする。


むしろ、昨日ぶりってなんだ…?


そんなお久しぶりみたいなノリで言われてもリアクションなんてとれませんよ。


「そこは"きゃー銀時さん!今日も会いたかったですぅ!"でしょ。」


『いやいや、私はそんなこと言いませんよ。』


「いや、俺が名前ちゃんなら絶対に言うのに。もう喜びすぎて失神しちゃうね!」


『しませんから。しかも私が銀時だなんて絶対に気持ち悪いだけです。本当銀時さんはリアクションが大きいんだから。』


「え?誰がダチョウ倶楽部だって?え?誰が出川だって?」


『誰も言ってませんよそんな事…!』


「もしかして、ラーメン、つけめん、ぼ」


『みんなが銀時さんをイケメンだと思ってると思ったら大間違いですからね。』


「名前ちゃんヒドイ…!新八にだって言われたことないのに…!え?何?俺アムロじゃないからね!」


『…………。』


う、うざい…!マジでうざい…!!


こんなこと言うのもなんだけど、今日の銀時さん本当に面倒臭い…!


相手にするのも体力使いますよこれ。


私が大きくため息をついたと同時に、銀時さんが首をかしげながら私を見た。


「そういやさ、昨日いつ帰ったの?」


『へ?』



「もォ、昨日一緒に帰ろうと思ったのに急にいなくなっちゃうんだもんよォ。」


『は、はは……。』


そりゃあ、仕事終わった途端に晋助という悪魔に拉致られましたからね。


なんて、今の面倒臭そうな銀時さんには言いたくない。



「ねぇ、名前ちゃん。昨日何して」


「おい、そこのクソ天パ。仕事の邪魔すんじゃねェ。」


『ひ、土方さん。』


銀時さんに問い詰められそうなとき、不意に私の後ろから現れたのは土方さんだった。



 
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