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『ここ、かぁ…』




私が今立っているのは、"坂田さん"の病室の前。




院長にご指名なんて言われて来てみたのは良いけれどいざ目の前にするとちょっと緊張する。



"坂田さん"は私の事知ってたんだよね?


ってことは私の知り合いなわけで…



でもいくら考えても私の知り合いには"万事屋の坂田さん"なんて知り合いはいない。



あぁ!もう!



いくら考えても分からないんだし、ここはとりあえず会ってみよう!!



『失礼します。』


カルテを握りしめて扉を開けて中に入れば話し声が聞こえた。







「銀ちゃん、大人しく入院するアル。」


「だから分かってるって言ってんだろォが。」


「あれ?今日は随分と素直じゃないですか?」


「ついに夜中にトイレ行けるようになったか?」


「ばっ!トイレくらい元々行けるつぅの!!ってかお前らもう帰れよ!」


「…なんでさっきから早く帰そうとするんですか?」


「…怪しいアル。」


「だァァァア!!うるせェェエ!!」






…すごい騒ぎ声。



あれ?ここ騒いじゃいけない筈の病院なんですけど…



ってか話し声が聞こえるってことはご家族の方がきてるのかな?




 


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