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大暴れに大暴れを重ねてみたものの、結局一度も離してもらえずにたどり着いた"万事屋銀ちゃん"の前。
途中、間違いなく真撰組に会った筈なのに、
『おっ、おお巡りさんっ!』
「旦那ァー、人身売買ですかィ?」
「いんやー、これは銀さん専用ー。」
『助けてくださっ…!』
「へェー、せいぜい壊さねェよう気ィつけてくだせェ。」
「銀さんはそんなヘマしませんー。じゃあなァ総一郎君。」
『ちょっ…!待っ…!』
終 了 。
あれー?真撰組って困ってる市民助けるのが仕事だよね?あれ?完全に私スルーされましたけども。
結局周りの人に白い目で見られたまま万事屋にたどり着いてしまいました。
「どうぞー。」
『お、おじゃまします。』
結局帰ることを諦めた私は万事屋におじゃますることにした。
「あ!名前さんお久しぶりです!先日は銀さんが迷惑かけまくって大変お世話になりました。」
『こんにちは新八くん!いえいえ、仕事ですから気にしないで下さい。』
居間に一歩踏み込めば目の前にいたのは今日も丁寧な新八くん。
本当、坂田さんにはもったいないくらい礼儀正しい子だ。
「名前!名前が来たアル!」
そして私の周りを走り回るのは今日も可愛い神楽ちゃん。
か、可愛すぎる!!
とりあえず、ぎゅって抱きしめてみる。
「神楽テメェ!銀さん差し置いて抱きしめられてんじゃねェ!!」
「ヘッヘー!男の嫉妬は見苦しいぞロクデナシ!」
やっぱり坂田さんはうるさくて、大きなため息が出てしまう。
何て言うか、坂田さんの反応は小児科にいる子供達と同じ反応。
いつだったかな、坂田さんが「銀さん気持ちはいつまでも少年だからね。」って言ってた気がする。
そ、そう考えるとあながち間違っていない…のかも。
『意外に綺麗にしてますね。』
「まぁねー。銀さんキレイ好きだから。」
「何言ってんですか。いつも片付けてるの僕じゃないですか。」
『……へぇー。』
まぁ、なんとなく分かるけどね。
だって坂田さん入院してるときベットの周り汚かったもん。
ジャンプだったり、こっそり食べた甘味の空だったり。
何て言うか、典型的なやりっぱなしな性格だった気がする。
「そっ、そうだ名前ちゃん!今日飯食ってこうよ!」
あからさまに話題を変えた坂田さんが私に投げ掛けたは夜食のお誘い。
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