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「名前ちゃん、お兄ちゃんいなくなって寂しい?」
首を傾げたちぃちゃんと目が合う。
寂しい、かぁ…
確かに坂田さんは自由奔放だし、怖がりで夜中とかすごい迷惑だったりしたけど…
いざこうして関わることがなくなるとなんだか少し物足りない気がするかも。
『うん、ちょっとだけ寂しいかもね。』
もう会えないわけじゃない。
坂田さんはよく怪我するみたいだし、またすぐにこの病院に来るよね
なんて事があったのが昨日の事。
『んん〜!!いい天気!』
家から出て大きく伸びをする。
今日は待ちに待ったお休みの日。
買い物にでも行こうと玄関から足を出せば、空は綺麗な青色。
しばらく歩いてたどり着いた大江戸ストア。
『完全に買い過ぎたよこれ。』
忙しくて買い物なんてあまり行けないから多めに買い込んでおこうなんて考えたせいか、両手には3つの大きな袋。
1つの袋は甘いものでいっぱいだけど。
『よし!頑張ろう!』
「随分と買ったなァ。」
『へ?』
気合いを入れて袋を持ち上げればふと後ろから聞こえた声。
振り返ってみれば、後ろには昨日の話題の人。
『あ、坂田さん。こんにちは!』
「よっ、お久しぶり。」
1週間ぶりに会った彼は相変わらず死んだ魚の目をしてる。
『坂田さんもお買い物ですか?』
坂田さんの持ってる袋も甘いものが入ってる。
『あ!糖尿病寸前なんですからそんなに甘いもの食べちゃダメですよ!』
「うげ、見られちった。」
見られちったじゃありませんよ。まったく、坂田さんは何度言っても分かってくれないんだから!
『名前ちゃんも、そんなに食ったら危ないんじゃねェの?いろいろと。』
私の持つ甘いものがいっぱい入った袋を見て坂田さんがニヤリと笑う。
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