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よし、こうなったら最後の手段!
『もう!そんなに嫌がるなら彼女さんに迎えに来てもらうように電話しますからね!』
うん、最初からそうすれば良かったんだよ。
「は?彼女?誰の?」
坂田さんは訳が分からないという顔。
『あれ?新八君のお姉さんが彼女さんじゃないんですか?』
あんなに綺麗な彼女さんで羨ましい限りですよ本当。
「違ェェエエ!!何その勘違い!!絶対ないから!!」
坂田さんはビックリするくらいの勢いで拒否してきた。
いや、そんなに嫌がらなくても…
『あれ?じゃあ忍者姿のメガネの方ですか?』
うん、あの人はなんかドジっ子ぽくて可愛かった。
「イヤイヤイヤイヤ!!!俺あんなに納豆まみれな女とは付き合えないから!!」
またもや物凄い勢いで拒否する坂田さん。
『あれー?私てっきり彼女さんかと思っててお見舞いに来た時は気使って退室してたのに。』
「あああ、やたらと俺から距離あけるなとは思ってたけどそういう訳だったのね。」
そういうと坂田さんはガクンとうなだれて落ち込んだ。
『あれ?坂田さん?』
「あーもー、俺そんな勘違いされちゃあショック過ぎて生きて行けねェよ。」
ちょ…!そんな事がショックなんですか!?
『す、すいません。』
「やだ。」
『やだって…。じゃあどうしたら許してくれますか?』
「まだ入院さ」
『それはダメです。』
坂田さんからはチッと舌打ちが聞こえた。
『というか、なんでそんなに退院したくないんですか?』
すっかり忘れてたけど一番大事なとこはそこだよね。
入院嫌いで有名な坂田さんがそんなに退院したくないなんてなにか理由があるはず。
まさか病院大好きになったとか?
「なんでって俺、名前と離れたくねェもん。」
突然坂田さんはそう言って私を見つめた。
え?何この展開?
離れたくないって何言って…
いや、そりゃあ私もちょっとは坂田さんが退院したら寂しいなとか思っちゃったけども!
だけどそんなに恥ずかしい言い方しなくても…
「あっれー?名前ちゃん、顔真っ赤ですけど?」
ニヤニヤしながら私を見る坂田さん。
『う、うるさい!』
そんなに元気なのに入院なんてさせる訳ないでしょうが!!
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