2
コツ、コツ、コツ。
ペタ、ペタ、ペタ。
今だに歩き続ける足音。
…いやいやいやいやいや!!!!!
だからそういうの信じないってばァァァア!!!
いないから!!幽霊とかお化けとか幽霊とかいないから!!
『あっ!坂田さん!』
「っギャァァァァァアアア!!!」
ポン、と誰かに肩を叩かれれば俺の口から出たのは悲鳴にも似た絶叫。
『ちょ…!坂田さん!?』
「マジ無理だから!俺そういうのやってないからァァア!!…って、え?」
『あの、…大丈夫ですか?』
振り返ると、そこには名前がいた。
「あれ?名前?」
『あの、大丈夫ですか?どこか痛むんですか?』
心配そうに俺を見つめて来る名前。
はぁ…、なんだよ。
やっぱり幽霊とかいないんだって。
『うわぁっ!』
「はぁ、安心したら疲れた…」
『?』
おもわず目の前の名前を抱きしめたら、暖かさに心が安堵した。
ぽんぽん、
俺の背中に当たる名前の手。
『ふふ、もう大丈夫ですよ。』
「?」
『こういう事よくあるんです、子供達も。』
そういって名前は優しく笑った。
あれ?俺、今子供と同じ扱いされてる?
『…私がいるから大丈夫ですよ。』
ま、いいか。
もう少しだけ
このままで。
恐怖のトイレ
君のくれる温もりは
安心だけじゃない。
(あれ?そういやもう一人は?ペタペタって足音と一緒に歩いてたよな?)
(え、私はずっと一人だったんですけど…)
(え?)
(え?)
ペタ、ペタ、ペタ…
((……!!!!!!))
<
戻る