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パタ、パタ、パタ



暗闇の中、スリッパを引きずって音を立てる俺の足音。


冷や汗ダラダラになりながら向かう先は俺がこの時間最も嫌いなトイレ。



あー、いないいない。


この世に幽霊とかいないから。

俺そういうの信じないから。



我慢に我慢を重ねて我慢してみたものの、やっぱり人間の膀胱には限界というものがあるわけで。





「っはぁ〜…」



これだよこれ。


トイレについてズボンを降ろせば俺が今唯一求めていた開放感が身体にしみる。


「よし、と。」



用もたしたし、後は戻るだけだな。





カタカタカタ…



ふいにトイレの窓ガラスが外の風で揺れた。



「……!!」



…とっとと戻ろう。



いや、別に怖いとかそんなんじゃねぇよ?


あれだよあれ、うん、もう眠ィから早く戻りたいだけだよ。





パタ、パタ、パタ





コツ、コツ、コツ

ペタ、ペタ、ペタ






「……!!」





ふと後ろから聞こえてきたのはコツコツと軽い靴音とヒタヒタと裸足で歩くような足音。





俺のじゃない、誰か二人分の足音。




 


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