「痛くしないからさ、いや、痛くするのもそれはそれでありか!」
「少し躾がしつようみたいだなァ。」
「あんまり調子のってると、殺しちゃうよ?」
「じゃ俺から貰おうかな。」
『─っっ!いやぁ!!』
「名前っ!」
勢い良く目が覚めれば視線の先には白い壁。
『…高杉さん?』
腕を見れば点滴がされていて手足には包帯が巻かれている。
そして隣には少し焦ったようすの高杉さん。
『ここ…?』
「病院だ。」
そうだ…
私…
部屋から飛び降りたんだった。
……私汚れちゃったんだ。
せっかく高杉さんに洗ってもらった身体なのに、
身体中に残る男達の掴む力と這いづる舌の感覚。
カタカタと震え出す私の身体。
「大丈夫か?」
『…は、い。っ大丈夫です。』
無理に笑えばそれから無言になりカチカチと時計の音だけが響き渡る病室。
「なァ、」
『は…い。』
「何があった?」
私を見つめる高杉さん。
鋭い瞳と目が合えば私は逸らすことが出来なかった。
『あの、』
それから続く言葉が出てこない。
何て言ったら良いの?
レイラさんに過去がばれましたって?
男の人にやられそうになりましたって?
…汚れちゃいましたって?
胸がギチギチと軋ませて私は掌を握った。
『私っ…ちょっと、混乱ちゃってて…』
胸元を伝う汗にゾクッと鳥肌がたつ。
『落ち着いたら…話します。』
すみませんと言い高杉さんから目を逸らせた。
「…そうか。」
そういって病室を出て行った高杉さん。
…言えるわけがない。
どうしたらいいの?
高杉さんだけには知られたくない。
私の頬に自然と流れる涙に瞳を閉じた。
そしてその夜、私は痛む身体を引きずって病院から抜け出した。
どうか知らないで
離れたくない
でも傍にいられない
だって私は
キレイジャナイカラ