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『た、かすぎさん…』



開いた扉の前には



1番に会いたかった人。




そして




今1番会いたくなかった人。





私の目に映る彼はこの光景を見て戸惑うことなく私の目の前にやってきた。




そして何をするわけでもなくその鋭い瞳でただ私を見つめてきた。





『…レイラさんに会いに来たんですよね?』



じゃなきゃここに来るわけがないよね。


でも、もう遅いですよ。



『高杉さん、この人、もう話せないんです。』



だってこんなに血が流れてるから。



『もう、動かないんです。』



だって私が殺してしまったから。



何を求めるでもなく私も高杉さんを見つめた。



もう、私の瞳に光なんてないのだけれど。



だけど後悔なんてしていない。


あんな事を聞いてしまえば遅かれ早かれきっと私はレイラさんを殺してしまっていたと思う。



それがただ今だっただけ。




「ククッ、」



そう聞こえて彼を見れば私を見て楽しそうに笑った。


こんな状態なのに高杉さんはやっぱり冷静だった。



「おォ、俺はそいつに会いに来たんだァ。」



やっぱり。




『もう、話せませんよ。』



彼女はもう話すことも動くこともないから。




「あァ、それでいい。」









俺も殺してやるつもりだったからなァ。










そう言った彼はニヒルに笑った。



殺すつもりだった?





…そっか、


高杉さんはもう知っていたんだね。



レイラさんが利用しようとしてた事。



ああ、レイラさんを殺しても、結局私は彼を煩わせていたんだね。












 



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