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病院から抜け出した夜、あれから私は行くあてもなくさ迷っていた。



私はこれからどうすればいいのだろう


高杉さんから逃げたって何も変わらないのに。





レイラさんはどうして私の過去を調べたりしたの?



高杉さんに身請けされた私が邪魔だから?




…高杉さんがレイラさんを身請けしたのも、私の事なんてもういらなかったから?





高杉さんが私のことなんとも思ってなくても良かったの。





私はただ、



高杉さんの傍にいられたらそれで良かったのに。




考えれば考えるほどドロドロと底無し沼の様に暗くなっていく思考。






嫌だ嫌だ嫌だ。


心が痛いよ。



私に笑ってくれた笑顔をレイラさんに向けるなんて耐えられない。



高杉さんが私のこと好きじゃなくても


必要としてなくても


高杉さんの傍から離れたくないよ。





こんなに頭の中ぐちゃぐちゃするの嫌だよ。





ふと俯かせていた顔をあげた。







もうはっきりさせよう。



高杉さんがレイラさんを身請けした理由とか、私の過去を知っていたとかそんなのはもういいの。



ただ、高杉さんには私が"必要"なのか"不必要"なのか、それだけが聞ければそれでいい。



こんなドロドロした感情をいつまでも引きずって高杉さんに迷惑をかけたくない。



…重荷になりたくないの。


もし"不必要"なら、



ちゃんと諦めるから。






気付けは私の足は家に向かっていた。









 



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