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高杉さん、
ごめんなさい。
せっかくキレイに洗ってもらったのに
汚れてしまいました。
私の入口に当ててきた男の自身。
諦めかけた視界にはいつもの窓から茜色の空が映る。
見えたのは高杉さんに拾われた日と同じ色の空。
スッと一つ深呼吸。
これが本当に最後の抵抗。
そう思い近くに置いてあった男の時計を壁に思い切り投げつけた。
─バンッ!
突然のその音に驚いて男達の手が止まる。
その隙に男達の手から離れて窓際まで走った。
「ビビらせんじゃねぇよ。こっち来いよ。」
窓に背を向ける私に段々と近づいて来る男達。
『…言ったでしょ?』
「は?」
『あんたに触られるくらいなら死んだ方がマシって。』
そう言って私は真後ろの窓から飛び降りた。
落ちていく中、瞼を閉じればあなたの顔が浮かんだ。
奪われたのは
生きる術。
汚れた私を
誰が愛してくれる?
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