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『お久しぶりです。名前さん?』
見下すように笑った彼女が私は怖かった。
突然家に押し込んできたレイラさんと男達。
男の一人に抱え上げられれば私は部屋のベッドに投げ出された。
『な、なに…?』
レイラさんが何故ここにいるのかも解らず私は少し混乱状態。
「私の事、知ってますよね?」
コクリと頷けば彼女は鼻で笑った。
「フッ、あなたは私を最近知ったかもしれないけど私はあなたをあなたが働いていたときから知っていたわ。」
彼女は私を一度睨んだ。
「どんな手使ったか知らないけどあんたが高杉さんを落とすなんてね。あんた本当身の程知らずだね。」
─ドスッ
『─っっ!』
彼女は私の腹に蹴りを入れればクスクス笑った。
痛みに顔を歪めれば楽しそうに私を眺めている。
「そうそう。あんたの母親、人殺しなんだってね。」
『な、んで…』
そんなこと彼女がどうして知ってるの?
『ちょっと調べただけでボロボロでてきたわ。あんたの母親、旦那と浮気相手の愛人を殺した後自分で自殺しちゃったんでしょ?』
楽しそうに話す彼女の声なんて私にはもう聞こえていない。
違う、違う、違う
あの時の記憶が蘇りカタカタと体が震えはじめた。
『で、現場にいた唯一の生き残りがあんただったみたいね。』
周りの男達の楽しそうに憐れむ声なんて聞こえないくらいあたしは震えていた。
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