無題
カチッカチッ、
静かな部屋に鳴り響く時計の音。
『…んっ』
ふと目が覚めてまだはっきりとしない頭を振る。
暖かい陽気に誘われて少しだけウトウトしながらソファーに座っていたらいつの間にか眠ってしまっていたみたい。
外を見ればオレンジ色に染まる空。
重みを感じて下を向けば私の膝にはすやすやと眠るふわふわの銀色。
あれ?
いつの間に帰ってきてたんだろ。
寝はじめた時にはいなかったのに。
今だに眠り続ける彼。
そろそろ、
足が痺れてきたかも。
『銀ちゃん、起きて。』
ふにふにと頬を摘めば少しだけ嫌そうに歪める顔。
なんか…
可愛いんですけど。
銀ちゃんのほっぺ柔らかい。
「ん…」
触りつづければパチリと目が開いた。
『おはよう。』
「……」
寝ぼけ目に挨拶をすればむくりと起き上がる。
『いつの間に帰ってきてたの?』
「ん〜…」
返答が返ってこない銀ちゃんを見つめればまだ寝ぼけてるみたい。
「名前、」
『ん?』
「おはようのチュウは…?」
『へ!?』
突然この方はなに言い出すの!?
むしろおはようのチュウとかしたことないじゃん!!
…まだ寝ぼけてるのかな。
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