何回聞いても頭に入らない(学パロ)


*双子設定

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日もすっかり落ちて街灯が照らされはじめた頃、あたしはやっと口うるさい英語の先生から解放された
(ちょっと居眠りをしちゃっただけでこんな時間まで説教と補習だなんて、きっと先生には金曜日の夜、デートする相手もいないんだっ!)
独り文句を心の中で叫びながら靴箱まで速歩きで向かった
靴に履き替え、学校と2日間のしばしの別れを告げるため校門を目指そうとした
すると、はて?
先に帰っててと伝えた筈なのに、あたしと一緒の蜂蜜色の髪をした人が校門に居るのは見間違いだろうか

「レンッ!」

あたしは、速歩きではなく全力疾走
校門までもうダッシュ
躓きそうとか、転けそうとか、そんな思考が働いたのは、レンに抱きついてからだった

「あ、お疲れ。リン」

優しく受け止めて頭を撫でてくれる
さっきまでの苛々はどこへやら
顔が自然と笑顔になる

「ありがとうっ!
えと、これはもしやリンさんを待ってくれてました?」
「リンさんの姿が見えるまでミク姉の新作アルバムが5回リピートされました」
「ごっ5回!?;」

素敵なミク姉の新作アルバムを5回と言うことは、自分が思っていた以上に居残り時間は長かったみたいで。
まだ秋口、日中はそんな寒くはないけど夕方を過ぎればすっかり冷え込むようになった今日この頃
そういえば抱きついた体がひんやりとしていた事に今気付く

「だから、先に帰っててって言ったのに。。」
「やだよ。」
「え?」

レンがあたしをぎゅっと強く抱きしめた
あたしは、レンの意図が読めなくて顔を覗き込む

見上げるとレンの顔がすっごく近くて、いくら双子なあたしたちだけどやっぱり男の子なレンの顔は、あたしと違って鼻筋もスラッとしていて、輪郭もシャープで。
何よりキリッとしたキレ長い目は、吸い込まれそうな程男の子の魅力を含んだパーツ

「こんな暗い中、リンを独りで歩かせるなんて嫌だ」
「え」
「それにリンが居ない帰り道に、家に、部屋は、つまんないし」
「れ。。レン」
「好きで待ってたの」
「レン、」
「なに?」

あぁ、もう
我が弟、なんて紳士なんだろう
我が弟、なんて素敵なんだろう
我が弟。
わかってる
あたしの大切な弟
だけど

「ありがとう。大好き」
「いいえ、俺も」




"大好きだよ"













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20110321

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