雨の中で泣きたい気分だ
2012/02/06

ふ、と目を閉じて空一面の星を想う。




目を開ける。

ここは草原だ。
その中には一本の細い道があって、僕が立っている。

なんて幻想的な世界なんだ、

もう一度目を閉じる。



『あなたは何がしたいの?』

ショートヘアの女の子が問い掛ける。


『皆の前で叫びたいの?』

全く同じ形をした女の子が問い掛ける。


『いくら考えたって、あなたは何も出来ないじゃない。』

クスクスとおかしげに笑うもう一人のショートヘア。



(なにがしたいか、だって?)

(そんなの決まってるじゃないか…っ)

(僕は、―――――…‥)



ぐるぐるぐるぐる。



僕の周りはショートヘアだらけ。

どの娘もクスクスと笑っている。



「やめろっ…!僕は、…僕、は…」



『クスクス』

『クスクス』

『あなたがどうしたいかなんて知ったことじゃないわ!』

『ちっぽけなあなたが何をしても、なぁーんにも変わらないじゃない!』



ぐるぐるぐるぐる


(僕、は ど、うしたい…の?)








気がつくと、いつもの光景。


あれは、僕が創り出した…夢、なのだろうか。

だがリアルに残っている感覚が、僕を混乱させる。



もういい。疲れた。
今日は寝ることにしよう。








(結局、答えは見付からなかった)


(ただ、あの娘の声が、耳にこびりついて離れない)



(なんだか、今日は、)








雨の中で泣きたい気分だ――――









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