Dearタイム!


Love!

「...っ」
「どうかした?桜乃」
(頬、染めちゃって..)
「...その、私、え、越前、桜乃なんだ、なぁと、思って、」
「..桜乃っ!可愛いーー!!」
「と、朋ちゃん!?」



Notice!

「寝ぐせ」
「え?」
「頭」
「うそ!?うぅっ、どこ〜!?」
「はぁ..ここ」
「っ!!!」
「ん、直った」
「...あ、あり、が、とう」
「「「「....」」」」



酒をくれ

「やってらんないわ、無意識って恐ろしい」
「あの越前がねえ」
「本当、他は眼中に無いって感じだよね〜」
「あれ、まだまだ序の口ですよ」
「「「....」」」 



積もるばかり

通学路も、校舎も、耳に聴こえる音楽も、見る景色も、テニスも全部にあなたがいる。



Notice! 2

「おチビ、まだ『竜崎』って呼んでんの?」
「いいじゃないっスか、別に。アンタ、名前の方が良い?」
「えっ、いや、私は、...私は、どっちも好きだ、なぁ」
「...あ、そ」
((((っ回避!!))))



温度差

「ただいま」
「リョーマくん!大丈夫!?びしょ濡れ!今、タオル持ってくるね!」
「うん」
「リョーマくん、はい、おまた、...せ...」
固まる彼女の顔を覗き込んだ瞬間、口角が上がった。
「何、見とれてんの?」
「!!!」
(あぁ、面白い)  



父と息子

ブー、ブー、ブー、
「...何」
「おー!リョーマ!今、母さんと話してたんだけどよ、今度桜乃ちゃん家に呼んで飯でも」
ブチッッ
「ったく、つれねーなー」



Childhood

「そうそう!これなんて、すっごく可愛いのよ!」
「う、わぁ!可愛い!!いくつの時ですか?」
「二歳ぐらいだったかしら?もう、可愛くて、可愛くて」
「...ちょっと、アンタら、何見てるわけ?」
「「へ?」」 



染まる空気

「お願い!リョーマくん!!」
「だめ」
「そこをなんとか、お願いします!」
(...はぁ)
その言葉と見上げてくる少し濡れた瞳の威力を分かっているのだろうか。
「お願い!!リョーマくんじゃなきゃだめなの!」
(くそ、絶対分かってない..)
彼が彼女に白旗を揚げるまで、あと少し。



駅前マックにて

「なー、越前」
「何スか」
「お前さー」
「...?」
「もう竜崎さん押し倒したりしたのか?」
「げほっ、ごほっ!ごほっ!」



December 24

おめでとう、そう言って花が咲いたように笑う彼女が一番嬉しそうなのが、妙にくすぐったかったりする。



櫻雨

さらさらと、滴を降らす雨雲が泣いているように見えるのはきっと、私の頬が濡れているからだ。



愛loveメモリーズ

「桜乃ー!リョーマ様ー!おめでとーー!!」
「おチビー!幸せになれよーー!」
「二人ともおめでとーー!!」
「越前!嫁さん離すなよっ!」



きらめきシャワー

「竜崎さん綺麗だねぇ、手塚」
「あぁ」
「越前も、幸せそうだな」
「やっと、と言うべきか」
「...え、海堂、泣いてるのか?」
「「「マジか」」」



beautiful world(前夜)

「越前、桜乃...」
「何か言った?リョーマくん」
「...いや、なんでもない」
誓いたい相手は神ではなくて彼女本人だと、口から思わずこぼれた彼女の新しい名に、柄にもなくそう思ったのは絶対言えない。



コードネーム

「姫」
「えっ!?」
「桜乃さんラブリー!!」
「ひねくれ王子」
「そのひねくれってやめてくれない?」
「ネコ」
「よく言われるにゃー」
「お姉さん」
「まとめるのどれだけ大変だと思ってるの」
「お母さん」
「ちょっと、まだそんな年じゃないわよ!!」
「...ツンツン?」
「なんでだよ!!」
ゲスト・管理人




彼の憂鬱

「リョーマくん!ジャンケンしよう!」
「...いいけど、なんで」
「ジャンケンに勝ったら、朋ちゃんがリョーマくんが昨日不機嫌だった理由教えてくれるって」
「....」
(にゃろう…!!)
裏庭の木の下に、男の子に呼び出されてたりする彼女。



Happiness

街でばったり会った飼い犬を散歩中の、近所の子供。同じ目線にしゃがんで笑いながら子供と話す彼女を見て思った。もしも女だったら、こいつに似るんだろうか。だったらかわいいだろうな。とか思った自分は馬鹿なんだろうか。



七日目の幸せ

朝のコーヒー。しかめられた眉。少し跳ねた髪の毛。まだ半分閉じかけの瞳。私だけかな、なんて、ちょっと掠れた声の朝の挨拶に、まだ言い慣れていない¨おはよう¨を返した。



ラビュー・ホリデー

コトリ−−
リビングテーブルに置かれた色違いの二つのマグカップ。頬を染めたまま、カフェオレを口に運ぶ彼女が隣に座っている。
「...」
口の中で、ブラックコーヒーはいつもより甘く溶けた。



この星のどこかで誰かが笑うとき

(やばっ...!)
けたたましい音を立てて落下した置物に、身体が硬直する。静かに振り返った先で、規則正しく上下する胸に息ともとれるため息をこぼした。
(結構起きないよね…)
内心で思いつつしゃがみこむ。確か、昔初めて彼女が自分の家で眠り込んだとき、暮れた空を見てなかなか目が覚めなくて困ったのを覚えている。
リビングのソファーに寄りかかる身体。側には畳み掛けの洗濯物。風通しの良い部屋を、春が通り過ぎていく。
畳み途中の衣服を手にとった。畳み終わる頃には目が覚めるといいと思いながら。



肉じゃが

「しかし、こんなテニス馬鹿で可愛げの欠片もない息子のどこに惚れたんだ?」
「えっ、いえ、その...」
「テニスしか頭にないのは誰に似たのかしらね」
「...誰だろうな」
「....テニスが好きなリョーマくんだから、その、あの、す、すす」
箸を運ぶリョーマの手がほんの一瞬止まった。
「こいつ、いっちょ前に照れてんぞ」
「黙れくそ親父」




お吸い物

リビングの扉を開ける。鼻腔を擽る香りと一緒に微かな鼻歌が聴こえた。長い髪を三つ編みに揺った背中が揺れている。ご機嫌だな、と思いながら柱に寄りかかる。と、突然鼻歌に歌詞が付いた。
「菜の花を〜かざりましょう〜」
「ふっ」
思わず漏れた声に、背中が振り返る。ぱくぱくと開く口と驚いた瞳に、赤い頬。次いで呼ばれた名に、微かに頬を緩ませながら帰宅を告げた。今日の夕飯は何だろうか。





肉じゃがのその後

「....」
「....」
息ができない。呼吸音さえ聞こえてしまう気がして有り得ないほどの緊張に息を潜める。この部屋に入ってから、テーブルまで数歩歩いたときの自分の爪先と、握り締められた拳しか見ていない。初めて入る彼の部屋がどんな部屋かなんて、そんなことを観察している余裕は少しもなかった。勿論顔も挙げられないから一体相手がどんな表情(かお)をしているのかもまるで見当がつかない。心臓がいよいよ止まってしまうと思ったとき、その声に止めを刺された。
「竜崎」




どうしたら喜んでくれますか

自慢じゃないけど物心つく頃から今までテニスしかしてこなかった。自分の身の丈ほどのラケットを抱えて、土やら汗やらにまみれてボールを追いかけることしかしてこなかった、と言ってもいい。だから知らないんだ。予想もつかない。女子に、しかも、他の奴らとは違うと分かってるあいつに、一体何をあげたら喜ぶのかなんて、分かるわけがない。テニスの試合に勝つよりも余程手強い。できればいつも見る真っ赤な緊張したような顔ではなくて、ただ笑ってくれればそれでいいんだけど、どうすれば、
「あー....オレこんな奴だったっけ」
雪も混じる1月某日。












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