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連載主とマルコとオヤジ

2010/02/19 02:28



「おやじー」

語尾にハートがついてそうなくらいご機嫌で、オヤジに駆け寄っていくチビ助の背中を見ながら思わず苦笑をする。

「おぉ。チビ」

オヤジもオヤジで、デレデレの顔でチビ助を抱き上げた。まるで本当の孫のように可愛がっているのは分かっているから、やっぱり苦笑しか浮かんでこない。

「オヤジ」

「マルコ、お前もここくるか?」

そう言って指差したのは、チビ助を乗せているのとは逆の膝。
一瞬固まって、すぐに慌てて首を振った。

「いいよい!」

「グラララ!遠慮するな!」

「してねえよい!」

赤くなっているであろう頬を擦る。
予想通り、ほてっている。

「グララ…。お前の親父もまだまだ子供だなあ」

チビ助の頭を撫でながら楽しそうに笑ってた。なに言ってるんだ、とまた赤くなった頬を片手で押さえながらチビ助を見た。
なにを言われたのかよくわからなかったらしく、キョトンと首を傾げているチビ助に安堵する。

「オヤジ、チビ助に変なこと吹き込むのはやめてくれよい」

そんなことをするのはサッチで十分だ、とため息をつく。

「グララ!立派に父親やってんじゃねえか!」

なにをどう取ったらそうなるのかよく分からないが、久々に撫でられたのには気分がよくなった。

「…まるこー」

されるがままでオヤジに撫でられていると、なにやら思いつきました、と言わんばかりの顔のチビ助に呼ばれた。

「なんだい?」

手を一生懸命伸ばしてくるので、とりあえず近づいてやる。

「…」

小さな手が、おれの頭を撫でた。
呆気に取られていると、チビ助がにっこり笑った。

「まるこ、だいすき!」

その一言に、オヤジが盛大に笑い声を上げたのは言うまでもない。



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