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連載主と隊長たち
2010/02/18 18:55
「やだ」
「…チビ助」
「うっ…。……やだ!」
「…はぁ」
「やーだー!」
「いい加減にしろよい…」
麗らかな昼下がり。
なにか面白いものはないかと、モビーの甲板に出てみれば、なにやらおもしろい事態になっていた。
チビがジョズの足の間にへばり付き、そのチビにマルコが無言の重圧をかけたり、恐ろしく低い声で咎めたりしている。
なんだなんだこの状況は。
おもしそうなことになってんな。
「ほらチビ、マルコが怒らないうちに言うこと聞いとけ」
「……じょず…、やだ」
「…」
なんだこのコント。
にやにや笑いながらなりゆきを見守っていると、プツン、となにかが切れるような音が聞こえた…気がした。
「四の五の言ってねえで、出てこいってんだい!!」
恐ろしい形相でチビを取っ捕まえて、高く持ち上げたマルコを、周りでちらちらと動向を伺っていた奴らが唖然とした顔で見る。
たしかに、マルコが怒鳴るなんてレアっちゃーレアだし。
「ぎゃあー!まるこ、ばかー!あんぽんたーん!」
そしてこれまた珍しいチビの叫び声に、いよいよ甲板はざわめいてきた。
ちなみに、あんぽんたんを仕込んだのはおれだ。
「あんぽんたんなんて、どこで覚えてきた!」
案の定、怒られた。
チビもあほだなあ。
「さっち!」
……。
あいつ、言うなっていったのに。
「…ッチ。まあいいよい。それより、観念するんだねい。お前はもう歯医者直行だよい」
歯医者?
マルコの思いがけない発言に、また甲板がざわめいた。
「歯医者…?」
さっきまでチビに張り付かれていたジョズが不思議そうに首を傾げた。
よく言った、ジョズ。
「ん?ああ、どうやらこいつ、虫歯ができたらしいんだよい」
「虫歯、か…」
「おう。で、歯医者って言った途端、この馬鹿が逃げたってわけだい」
やれやれ、とチビを肩に担ぎ上げたマルコに、その場にいた誰もが脱力した。
あんだけ騒いどいてそんな…。
「さて。船医…いや、歯医者さんとこにいくよい」
「やーだぁああ!!」
まあ、ともかく、今日も平和だ。
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