sss


(連載主と)マルコ

2010/02/22 23:49

※ぼーっと連載主のことを考えるマルコ




まだ薄暗い夜明け前に、何故か目が覚めた。
もしかしたら、寒かったのかもしれない。
そういえば、今日はチビ助と一緒に寝ていなかった。

この海域は夜間冷えることが多いから、ここ数日間は暖を求めて一緒に寝ていた。あの温かいこども体温の恩恵にあずかっていたわけだ。
これがなかなか病み付きになる温かさだったからまいった。


ふ、とベッドの側の小さな丸窓に目を向けた。
朝焼けを待つばかりの、柔らかい色を掃いた空が僅かに見える。

あの温かな子供は、きっと今頃は自分の部屋のベッドでぐっすりなんだろう。
こんな小さくちゃ、野郎共と一緒の部屋で寝てちゃァ潰されちまうな、と笑ったオヤジがプレゼントしたあの部屋で。

寝付きがよくて、一度寝たらなかなか起きないあのチビ助のことだ。
確実に、ぐっすり寝ている。

けれど、どうしても浮かぶ、それ。

あの、チビ助には広すぎるあの部屋は今、温かいだろうか。
ちゃんと、布団をかけているだろうか。
しっかりと眠れているだろうか。
凍えてはいないだろうか。

際限なく浮かび上がる不安の根底にあるものを、おれはもう知っている。
チビ助に会うまでは知らなかったこの感情を、今のおれはもう知っている。


それは切なくも心地好く、静かに朝焼けを待つこの空に似ているような気がした。


前へ | 次へ
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -