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連載主とサッチ

2010/02/21 01:08


「さっち、なにしてるの?」

釣りをしようと、釣竿を準備していたらかわいいチビの声がして顔を上げた。

「お?チビか!お前も来い!釣りするぞー」

「つり!」

「釣りは初めてか?」

「うん」

「そうかそうかー。よし、いっぱい釣ろうなー」

「うん!」

ひょいとチビを抱き上げて、すでに皆が釣りを始めている場所に向かう。

「よぉ、チビー。お前も釣りかー?」

「うん」

「わはは!うっかり落ちんなよー」

「きをつけるー」

釣りをしていた連中が、チビを見つけた途端声をかけてきた。ほんと、愛されてんなあ。

「さてと、ここらでいいか」

よいしょ、と甲板に座り込み、膝の上にチビをおろす。
前にマルコがやっていた体勢で、実はやってみたくてしょうがなかった。
すっぽりと胡座の上に収まるチビは、非常にかわいい。マルコの野郎め。いつも一人占めしやがって。

「さっち、がんばれ」

「おうよ!」

と、釣り糸を垂らし始めて早数十分。
なかなか来ない当たりに、欠伸を噛み殺した。
今日は駄目か、と残念に思いながら、チビの様子を伺った。

「…」

ね、寝て!寝てる!!
なにこれ、ちょうかわいいんですけど!

おれの胸に寄り掛かって、すぴすぴ寝息を立ててるチビにおれの頬は盛大に緩んだ。
そばにいたクルーが、その変化にぎょっとしたが、チビを見た途端同じような状態になった。
だよね。

「かあいいなぁ…」

起こさないように頭を撫でてやる。
ふや、と笑った。
完全に、ノックアウトだ。
今日の釣果は散々だろうけど、ある意味大物がつれたから万々歳。



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