後書き



『団子屋のあいつ』これにて終幕、です。全部でぴったり30話!

実は一気に書き上がってしまった作品で、個人的にはテンション高めで書き終えたものです。最後の方はどう終着させようかと悩みましたが、ちょっと誤魔化し入ってましたね……。こういう話は『三ちゃんも三郎さんも好きでどうしよう!』ってなるのが一番の山場だとはわかってたんです……!力量が及ばず、口惜しいばかりです……。
最初に浮かんだのが、『三郎は幼い頃は素顔で過ごしてたはず』『じゃあ幼なじみは雷蔵顔の三郎を見てもわからないのでは』『よしきた町娘主書こう!』です。団子屋さんというのは、三郎がよく通っても適当な言い訳ができる場所、で決まりました。

夢主の心情ですが、なんかご都合主義すぎてなあと思うのですが、私にはこれが限界でした。
最初から夢主は幼なじみの"三ちゃん"のことを、心のどこかで引きずっていました。殆ど忘れかけていて、"三郎さん"のことを好きになっちゃったりして。でも夏祭りの辺りから、もしかして"三ちゃん"の影を重ねてるだけ?と気づき、そのうち"三ちゃん"と"三郎さん"のどっちが好きかわからないと悩み出します。しかし突然浮上した婚約の話で、やっぱり"三ちゃん"が好きだ!ってなります。一回泣いたのは、勝手な都合で"三郎さん"を好きとか嫌いとか言って申し訳ないとか、あとまだちょっと未練があるのも自覚して、うわーってなったから。みたいな。
三郎の方は、夢主への幼い頃の初恋を完全にスルーされてもういいわ……と諦め。こっちも忘れかけていたのですが、ミツコの変装をしている彼としては、成長した夢主にも当然気付きます。それでからかってやろうと言って通い出すわけですが、心の底ではちょっと初恋気分が残ってたり。最後の最後まで名前を頑なに呼ばなかったのは、呼んだら後戻りできないと自覚してたから、みたいな。
根底には、相互依存的なところもある気がします。恋とかを超えて『あなたしかいりません』な感じ。まあそれでバランスとれてるのがこの二人ならいいなーという勝手な妄想。

最終話ではすっ飛ばして卒業まで行きましたが、また機会があればちょいちょいその辺を詰めるような番外編など面白そうですね。思いつくかどうかは別として……。

では、最後までお付き合いくださり、本当にありがとうございました* お疲れ様でした!


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