team鳳と打ち合わせをしている限りでは、まだまだアヤナギショウタイムは模索中の様で、取り敢えず流れと歌、加点のあるステップを練習しているそうだ。


「取り敢えず音源確認と流れだけ話し合いましょうか。」
「俺!スポットライト色分けして欲しい!」
「え?ええと…」
「おい星谷、アイドルのコンサートじゃあるまいし…。」


ガチャ


「遅れて悪いね、進んでいるかいボーイズ?」

開いた扉から出てきた人物を見て私は言葉を失った。
真っ直ぐ伸びた綺麗な姿勢、歩き方、澄んだ瞳に綺麗に結えられた灰色の髪。凛々しくも柔らかな表情。オーラもある。
これが華桜会…。
他の舞台設備専攻の人達も同じ事を考えている様で頬を染めている人もいるくらいだ。


「舞台設備専攻の人達だね?初めまして、華桜会の鳳樹だ。後輩共々宜しく頼むね。」
「華咲…口開いてる。」
「…はっ!私ダラしない顔してた!?」

空閑君はゆっくり頷いて一方向に指をさしている。

「くっくっくっ…」
「月皇が…」
「ツボってる…!?」
「ちょ!?ちょっと月皇君…!?」

そこまで笑う程変な顔だったのか、私があわあわしていると鳳先輩までもが口元を抑えて笑い出したではないか、ああ、恥ずかしい。

「くっくっ…君たち最高だね…」
「鳳先輩、これはそ、の…。」


ふと、笑っている鳳先輩を見ていると何処か違和感を覚えて言葉が途切れてしまった。


「どうかしたのかい?華咲さん。」
「いえ、なんでもないです…。」
「そう、じゃあ打ち合わせ続けて。」

何処に対して違和感を感じたのか、それすらも解らない程の物だったので、まあ、何でもないだろう…たぶん…。



……




「こんな感じですかね。」
「うん。いい感じなんじゃない?」
「そうですね、じゃあ今日の打ち合わせはこの辺で。」

ファイルを鞄に纏め、舞台設備専攻の面々は席を立つ。
初日にしては良い感じなのではないだろうか。
星谷君達が言っていたとおり鳳先輩の意見は素晴らしいし面白かった。


「次は来週に。アヤナギショウタイムの完成楽しみにしてるね!」
「精々腕を上げておくことだな!照明!」
「しょ…!?天花寺君!?」
「何か2人とも仲良くなってない!?」
「庶民から照明に格上げされてる。」
「空閑、それは格上げといえるのか…。」

「はいはいボーイズ、それじゃそろそろ、練習に戻るよ。」


鳳先輩の一言で打ち合わせはお開きとなった。頑張って、と伝えると星谷君は笑顔で頷いてくれた。
星谷君の笑顔は不思議だ。見ているとぽかぽか暖かくて元気になれる気がする。
マイナスイオンでも排出しているのだろうか。
…冗談はさておいて、今からグループ全員で舞台演出についてのミーティングだ。チームの数も多いのでひと班ひと班丁寧に、皆が輝ける舞台を目指して。




















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