予感




楽しかったクリスマスもあっという間に過ぎ去り、なまえとキースはキングズ・クロス駅へ向かった。


「父さん。ハリーは守るわ。」

キースはしっかり頷くとなまえを肩を優しく包んだ。

「何かあればダンブルドアやセブルスを頼りなさい。」

「そうね。無理しないのが約束だったわね。」

「…そうだ、約束と言えばなまえ、お友達と宿題はキチンとする約束をしたんじゃなかったのかい?」


なまえは少し青ざめた顔をした。やはり父には筒抜けのようだ。何気、なまえはしっかりと父の後を辿っているのかもしれない。

「それと、母さんが心配するから、手紙は面倒くさがらずに書く事!」

「…ま、気が向いたらね。」





ホグワーツ特急に乗り込んだはいいが、二人の姿が見当たらない。
ここ、空いてるわよ。車内をうろうろしていると誰かに声をかけられた。

「やあ、ハーマイオニー。」

「久しぶり、なまえ。休暇はどうだった?」


声を掛けたのはハーマイオニーだった。どうやら同じコンパートメントに知っている人がいなかったらしい。



「そう言えばなまえ、素敵なクリスマスプレゼントをありがとう。とっても素敵な羽ペンと栞だわ。」

「喜んでもらえて何よりだわ。なんでも魔法省で流行って……あっ。」


なまえはそこまで話すと何かに気を取られ、言葉を失った。
不審に思ったハーマイオニーが首を傾げるが、なまえは気にしないでと何もなかったように続けた。


忘れていた…クリスマス休暇前、自分は彼女に何を問われた?
「ニコラス・フラメルを知っているか」
そうなまえは問われたはずだ。
その時はわからなかったが、賢者の石の件を父から聞いた時点でなまえはニコラス・フラメルが何者なのかわかってしまった。
彼は賢者の石の作者だと…。
全てハーマイオニーと話しているうちに思い出してしまった。

それと同時になまえの頭の中にある考えが過ぎった。

ハリー達は石の存在に気付き始めている。


「そう言えば、ハーマイオニー。ニコラス・フラメルは誰なのか分かった?」

「…いいえ、残念ながらまだよ。なまえは何か分かったの?」


「私が調べものをしない事、知ってるでしょう?」




城に到着すると、そこでハーマイオニーとは別れ、チョウ達と合流した。
新学期一発目の像の問掛けはなまえにはさっぱり分からなかった。

その後は部屋の暖炉の前に集まり雑談をしたが、案の定話題はなまえの宿題の件であった。







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