内緒の話を






帰省中のなまえは父や母とホグワーツの話題で盛り上がった。

なまえの父、キースはホグワーツが母校であるため、昔から務めている先輩や伝統の話、逆に母のシンディはなまえが前年度の終わりに少し話したくらいで全くと言っていいほどホグワーツを知らない。シンディは魔法の話やホグワーツの話を全て真剣に聞いてくれるとても聡明な女性だった。
…ただ、なまえが宿題や勉強を怠っている事は筒抜けらしかった。

そんなシンディがひとたびリビングを離れると父は深刻な顔で深い魔法の話を始める。そういえばキースはあまりシンディに魔法の話をしたがらないのだ。


「…今年はトロールが出たそうだね。」

「ええ。噂では誰かが侵入させたとか。」


なまえはゆっくり頷く。
キースはなまえの目をじっと見つめて問いかける。

「…では、その犯人は何故トロールを侵入させたと思う?」

「…それは、わからないけど。」

「気をそらすためさ。…ダンブルドアのね。」


聞く覚悟はあるかい。
そう問いかけたキースになまえは深く頷いた。
学校に隠されているものの正体。それを守っている人達、盗もうとしている物の正体。


「学校にそんなものが…。」

「そう。賢者の石が手に入りさせすれば、アイツは…ヴォルデモートは復活してしまうだろう。」

「でも、先生方の魔法で石を守っているなら安全じゃない?」

「弱ってもなお、それを掻い潜る程強大な力を持っているのがやつさ。」


なまえは身震いした。そこまでの力を持つ者に、ハリーは、ほんの11歳の少年のは命を狙われているだなんて。
昔、ハリーの両親含め多くの父の仲間がヴォルデモートに命を奪われたと聞く。
一体、何故ハリーを狙うのか。何故死の呪文を受けてなお彼は生き残ったのか。父がそれ以上を語る事はなかった。




「二人共、そろそろ夕飯の時間よ。」

「さあ、母さんが呼んでる。話はここまでだ。」

「うん。」

「なまえ、闇の魔法使いの話を母さんの前でしてはいけないよ。」


大丈夫、わかっている。父は母を危険な目に合わせたくない、だから話さない。それはなまえも同じだ。



「さあなまえ、料理を運ぶのを手伝って頂戴。それと、また学校のお友達の話を聞かせてね。」

「うん。母さん。」


母が恐怖や悲しい出来事を知らない事に、なまえは幸せを感じた。




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