ニコラス・フラメル





あっという間にクリスマスが来ようとしていた。

「なまえは今年も残るの?」
「まさか!帰るわよ。」

去年は実家が忙しくて帰ることが出来なかったが今年は特に何も言われることもなく、無事になまえは帰れることになった。
うきうきと荷造りを始めたなまえをチョウもマリエッタも微笑ましく見守る。
なまえが杖をふると荷物が次々とトランクに収まっていく。

「へぇ、なまえはそういう魔法も得意なのね。」
なまえが得意げにまあね、と呟くとチョウは待ってとなまえを制した。

「宿題や勉強道具はもって帰らないのかしら?....なまえ?」
「え、ええと....。」
冷や汗をかくなまえにチョウとマリエッタが詰め寄る。

「なまえ、持って帰るのよ。」
「は、はい....。」

苦い顔をしたなまえが杖をもう一度ふると机の上でまだ綺麗な状態の宿題がトランクに収まった。
宿題についてこれ以上問われたらとても適わないのでなまえは気晴らしに散歩をする、と寮から抜け出した。


散歩と言うのは建前で、チョウ達にはもちろんバレバレである。
帰って怒られる事を予測しつつなまえはグリフィンドール寮へと足を進めた。

「あら、ハーマイオニーにロン。」
「やあなまえ。」
なまえがグリフィンドールに向かっていると向かい側からはあーでもないこーでもないと呟きながら歩いて来る2人組と出くわした。比較的珍しい組み合わせだ。

「珍しいわね。ハリーがいないなんて。」
「ハリーは図書館よ。」
「図書館?それもまた珍しい....何か調べものかしら?」

となまえが呟くと2人は気まずそうに目を合わした。

「え?言うの?不味いよ....」
「でもなまえなら....」
となまえに聞こえない程度の会話を2人が交わすのでなまえが不審がっているとハーマイオニーがふっと顔をなまえへと戻し、言う。

「なまえ、ニコラス・フラメルって誰か知ってる?」
「ニコラス....?生徒か誰か?」
「ほら、言わんこっちゃない....。」

そう呆れるロンの頭をハーマイオニーが少し分厚い本でバシンと叩く(痛そう)と、ロンはうめき声をあげた。
なまえは状況が良く分からないと言わんばかりに首をひねるとハーマイオニーが言った。

「急にごめんなさい、なまえ。忘れて。」
「え、ああ、うん。」

ハーマイオニーはそれだけを言うと頭を痛そうに抑えるロンと共に去って行った。
その、ニコラス・フラメルが一体何だというのだ。


「ジョージ、フレッド。」
「「やぁなまえ。」」

見知った顔が2つ振り向けば自然と笑顔が溢れた。....がジョージもフレッドも手には怪しげな悪戯道具を持ちニヤリと不気味な笑みを浮かべるあたり、今からきっととんでもない事を行おうとしていると言う事を察してなまえは苦笑いで2人から遠のく。

「どうしたのさなまえ」「逃げる事はないだろうなまえ」
「ええと、そう、用事を思い出してね....。」
「あっ、逃げたぞ!」「待てなまえ!」

結局グリフィンドールからレイブンクローへ逆戻りしたなまえはチョウとマリエッタから説教を受けるのであった。
もちろんなまえが宿題に手をつけるつもりなど毛頭ないようだ。











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