ハーマイオニー






「あの、さっきは助けてくれてありがとう。」

トロールに襲われかけたグリフィンドールの女子生徒もとい、ハーマイオニー・グレンジャーは3人にそう告げる。

「無事で良かったよ。ハーマイオニー。」
ハリーはそう笑うとロンも頷く。
「でもなまえが来てくれなかったら僕ら死んでたかもしれない。」
「大袈裟よ。」
となまえがロンに笑って返す。

「あなたもありがとう。えっと....」
「なまえ・みょうじ。レイブンクローの2年生よ。」
「なまえね。私はハーマイオニー・グレンジャー。グリフィンドールの1年生よ。」
なんだ、3人は知り合いどうしなの、とハーマイオニーは少しつまらなさそうな顔をした。

「あのね、なまえ。ハーマイオニーはトロールが入り込んでいた事を知らなかったんだ。」
「そ、そうだよ!だからトロールを倒そうとしていたとかじゃないんだ。」
思い出したかのようにハリーが言うとそれにはっとしたロンも便乗して言う。
きっとこのままだと何も知らないなまえは誤解をしてしまうと思ったからだろう。

「大丈夫。わかってるわ。そんな身の程知らずはスリザリンくらいね。」
そう言うなまえに3人はクスッと笑う。ハーマイオニーの表情が先程より柔らかくなったのが分かった。
「ありがとう、なまえ。」

暫く同じ道を歩いていて、ハーマイオニーがある事に気付く。
ここの道は自分達の寮であるグリフィンドール寮にしか繋がっていないはずだ。

「なまえ、レイブンクローの寮はたしかこっちじゃないはずよ?」
「いいの。今日は帰らないわ。」
「正確に言うと」「帰れない」

4人がその声にくるりと振り向くとそこには全く同じ顔が2つ。
「うわっ!兄貴達脅かすなよ....ってどうしてここに?」
「なまえを探しに。」「チョウ達に頼まれてね。」

何も言わずにハリー達を追いかけた事について、なまえは少し罪悪感を感じた。
グリフィンドールの寮についたらすぐに手紙を送らなければ。

「ねえ、なまえが帰れないってどういう事?」
思い出したかのようにハーマイオニーが聞くがそこは訊ねて欲しくはなかった。
双子が楽しげに口を開いたのでなまえは黙って見守ることにした。

「こいつは一人で寮に入れないからさ!」
「ええ?寮にって、なまえレイブンクロー生よね?」
なんて語弊を生むような言い方をするのだ、....間違ってはいないけど....となまえは頭を抱えた。

「レイブンクローの寮は入り方がグリフィンドールとは違う。」
「知っているわ。ホグワーツの歴史という本に書いてあったもの。レイブンクローの寮に入るには難しい問題に答えなければならないのよね。」
「なまえは頭がいいが勉強なんて絶対にしない。」
「レイブンクロー生なのに?なまえ嘘よね?」

とはっきりとハーマイオニーがなまえに問いかけるとなまえはふるふると首を横に振り「残念ながら、私勉強は嫌いよ。」と答えた。

「あ、ありえない....!だからレイブンクロー寮には問題が解けないから入れないって言うの?」
驚愕するハーマイオニーに「時々ね。」となまえは苦笑いした。

「ところでお前ら、トロールはどうなったんだ?」「まさか、なまえがやっつけたとか?」
「そのまさかだよ、フレッド。」

双子の質問にロンが胸を張り言った。
「そうよ!縛り付け呪文でパパッと倒しちゃったわ!」
「流石スリザリン切りのなまえ!」「トロールなんて目じゃないぜ!」
「ちょっとジョージ!フレッド!あんた達他の生徒にベラベラ喋ったら承知しないわよ!」
「ああわかってる。」「大丈夫だ。」

何が大丈夫だよ。となまえは心の中で思ったが案の定次の日にはなまえの思ったとおりになっていたとか。







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