勝ち取ったのは





組み分けが始まった。
名前が早いもの順にどんどん呼ばれていき、何人かはレイブンクローと宣言されていた。

「ロナルド・ウィーズリー!」

と、大きく名前を呼ばれると少し自身が無さそうにしている赤毛の男の子が前へと出た。
ウィーズリーと言う事はこの子がジョージとフレッドの弟のロンだ、となまえが考えている間に帽子は「グリフィンドール!」と宣言した。
安心したようにホッと息をつくロンを見て、なまえは少し可愛いな、と思えた。あんな弟が欲しかった、と。
それにしてもあの双子がお兄さんだなんて、全然想像がつかない。


「ドラコ・マルフォイ!」

ダイアゴン横丁で出会ったドラコも名前を呼ばれたのだが、変な事に彼は帽子をまだ被ってすらないのに「スリザリン!」と宣言されていた。
スリザリンと宣言された彼は維持の悪そうな笑みを浮かべた。

「彼は、そんなにオーラがにじみ出ているの?」
「なまえ、マルフォイ家はね、代々純血主義で一族全員がスリザリンなのよ。」

とマリエッタが言う。
「ああ、成る程。」
「なまえ、彼には関わらない方がいいわ。」
「言われなくても、スリザリンに良い奴なんていないわ。」

そうなまえが言うと、マリエッタが俯いたのが分かった。
去年の騒動は表向きではなまえがまたスリザリンを蹴散らし、ついに20人切り達成したと言う事になっている。
あの時ヘビに襲えと魔法をかけた男の子は退学になったが、主犯であるヨーク・トリムスがホグワーツに残っているのであまり意味がないとなまえは思った。が、先生はヨークに忘却魔法をかけ、あの日はなまえに大敗したという事をインプットされたので、もうなまえにあまりしつこくはしてこないであろうと思われる。

アルフォード・セルファーナは目が覚めたマリエッタに全てを話したらしい。
なまえとマリエッタのビンタ一発ずつで手打ちにしたが、もうマリエッタ達から彼に話しかける事も彼から話しかけてくる事ももうなかった。
チョウいわく、彼ったらなまえをまた見つめているわ。となまえに対しての気持ちはまだあるらしい。マリエッタはと言うと彼への気持ちはきっぱりと「覚めた」と言っていた。

ちらっとドラコに視線を移すとヨークが彼とその近くにいる一年生に話し掛けているのが分かった。きっと自分の子分にしようと考えているのだろう。


「ハリー・ポッター!」

そう名前が呼ばれるとザワザワしていた大広間は一瞬で静かになった。
ハリーはゆっくり前へ出ると帽子を被った。
しかし帽子はなかなか寮を決められないみたいで、ハリーの組み分けには少々時間がかかっていた。
帽子はゴニョゴニョと喋ったあとに「グリフィンドール!」と宣言した。
宣言されたハリーが嬉しそうな顔をしてグリフィンドールのテーブルへと移動するのが見えた。
ジョージとフレッドは「ポッターをとったぞ!」と騒ぎ立てる。

ペネロピーがレイブンクローに決まった一年生全員に「監督生のクリアウォーターよ」と触れ回り握手をしているのを見て、1年早く生まれていて良かったとなまえは心の中で思った。

食事が済んだあともペネロピーが得意げに「一年生は監督生の私に付いて来なさい」と声を張り上げていた。
それを見てなまえがクスクス笑うと「なまえ!あんた減点するわよ!」と真っ赤な顔をしてペネロピーは叫んだ。一年生は若干引いている。

その後は新入生を歓迎するパーティーが談話室で行われたが、あまりにもペネロピーが絡んでくるので、なまえは早々と自分たちの部屋へ戻っていった。

面倒くさい1年になりそうだ、と思ったとともに今年は何度もグリフィンドールにはお世話になるだろう、となまえは思った。









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