ハリー・ポッター






なまえはその日、ダイアゴン横丁へ来ていた。
ある人物と待ち合わせをしていたのだ。
しかし、待ち人は一向に現れない。ぼーっとショーウインドウを眺めながら歩いているとドンと誰かにぶつかってしまった。
なまえは当たられただけで何ともなかったが、相手はぶつかった衝撃で少しよろけた。

「気をつけたまえ!」
「ああ、ごめんなさい。」

なまえは咄嗟によろけた人物を支えるとその人物と目を合わせた。ぶつかったのは少しなまえより背の低い男の子だった。

「それじゃ。」

さして気にもとめずなまえは先へ進もうとするが、ぶつかった相手がなまえの腕を掴み引き止めた。

「まあ待て、君はホグワーツの生徒かい?」
「そうだけれど、何か?」

面倒くさいのに引っかかってしまった....となまえは彼を支えた事を後悔した。
「僕も今年からホグワーツに入るんだ。僕はドラコ・マルフォイ。」
君は?と問掛けられると、流石のなまえでも答えざるを得なかった。

「なまえ・みょうじよ。」
となまえが名乗るとドラコに握手を求められたので、軽く握手するとなまえはそそくさとその場から立ち去った。

取り残されたドラコはなまえの後ろ姿を見つめ、顔を思い浮かべた。
「彼女、何処かであったような....。」



その場から離れたなまえはやっとイーロップのフクロウ百貨店の店内でお目当ての人物を見つけた。

「もう!遅いわハグリット!」
「おお、なまえ!すまんすまん!」

ハグリットはちょっと待ってろ!となまえを引き止めると大きな鳥篭を持って店から出てきた。
鳥篭の中には綺麗なシロフクロウが入っていた。
その美しさになまえは思わず見入ってしまう。

「それ、あなたのフクロウ?」
「いーや、これはハリーに。誕生日プレゼントだ。」
「あら、私を呼んだ理由はそれね?」

なまえはハリー・ポッターに会うために父からハグリットと合うように言われたのだ、と感づいた。

「なまえ、お前さん荷物は?」
「一旦家に帰ってから駅へ向かうわ。」

ハリーはどこ?となまえが呟くとハグリットは「オリバンダーの店におる」と返した。
オリバンダーの店の前まで行くと、店の中には杖を手に持つあの時のメガネの少年がいた。そうか、彼がハリー・ポッター。
ハグリットは店の外から窓ガラスをバンバン叩くと「ハリー!ハッピーバースディ!」と大きな声で言った。

ハリーは嬉しそうに店から飛び出すと、なまえを見て近寄るのを躊躇った。

「あなたがハリー・ポッターね。」
「おお、ハリー。この子はなまえだ。ホグワーツでお前さんより一年先輩だぞ。」

ハグリットがなまえを前に押し出すとハリーとなまえは握手をして、自己紹介をした。
「なまえ・みょうじよ。」
「僕、ハリー・ポッター。よろしくなまえ。」

「なまえは魔法が大の得意だ。わからん事があったらなまえになんでも聞くとええ。」
「ハグリット、買い被り過ぎよ。」
「とにかく、意地の悪い上級生に何かされそうになったら、なまえの名前を出すとええ。」
「えっ、それは何故?」
「もう、ハグリット!....ハリー気にしないで。」

さて、挨拶も終わったし帰るわ。となまえが告げると2人もなまえに挨拶をした。

「ハリー、またホグワーツで....ああ、忘れていたわ。ハッピーバースデー、ハリー。」
「ありがとう、なまえ。」


なまえがフルパウダーで家に戻ると父はリビングで休んでいた。
「ハリーに会えたかい?」
「会えたわ。普通の男の子に見えたけど。」
「そう。普通さ。彼は普通の男の子さ。」

だからなまえ、お前が危険から守ってあげなさい。キースは力強く言った。

「何かあったら、ダンブルドアかセブルスを頼るといい。きっと力を貸してくれるだろう。だがしかし、これだけは忘れてはいけないよ。」
「何?父さん。」
「無茶はしないでおくれよ。私の一番大切ななまえ。」

すこし可笑しな話だが、この瞬間、久々に自分の父の父親らしい一面を見た、となまえは思った。
優しく笑う父になまえは抱き着く。

「でもね、父さん。何が無茶かは、私自身が決める事なのよ。」
「お前は本当に....私の若い頃に本当にそっくりだな。」










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