ずっと待ってた
お見合いするかも。そんな報告を聞かされた時殴られたような衝撃を受けた。 お互いに好きだと言ったことはないし言われたこともない。それでも何となく好き合っているのだろうという雰囲気はあった。しかしそれは自分の願望もしくは甘えであったのかもしれない。 足を止めたグリーンから数歩進んだところでブルーも足を止めた。しかし振り返ることはせずに言葉を続ける。 先日従妹の結婚式があったことから始まってそこで父親の知り合いに見初められたらしいことや両親に恋人の有無を問われたことなど、こちらに口を挟ませないような早口でつらつらと説明する彼女のトーンは何だか複雑な気持ちを含んでいるようだった。 「乗り気じゃないのか」「出来るならしたくないけど…」 パパ達をがっかりさせたくないから、と困ったように笑ったブルーに、グリーンは我慢することを止めた。 腕を掴んで引き寄せる。何の抵抗もなく胸中に飛び込んできた彼女の顎を掴んで視線を合わせると、そのまま唇に食らいついた。
「ずっと、待ってた…」 再び距離が開いた後のブルーの第一声は、それだった。青い瞳は潤んではいるものの、その中に先程までの寂しさは見られない。背中に手を回して抱き締めると向こうも抱き返してくれた。体温が混ざり合って心地良い。 「ずっと、好きだった」 心の底から絞り出した本音に、あたしも、と小さいけれどもしっかりとした返事が返ってきた。
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